二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

棄てたのは過去か未来か・・・1 ( No.153 )
日時: 2011/07/14 18:59
名前: 如月 ◆QWE8ZSUilM (ID: ppbZlmwS)

※まるまる10日の大遅刻すみませんでした…!
※独立ネタ
※Fショックネタ
※やっぱりシリアス
※マジですみませんでした


















小さなこの子を、心から愛して育てよう。
希望を胸に抱きながら—…
















『アルフレッド・F・ジョーンズ』


これは俺がイギリスと出逢って少し成長した頃、彼が俺にくれた名前だ。
いつも国として生きられるわけじゃないと、人間の名を名乗ならければいけないときがあると。
そう穏やかな顔をして教えてくれた。
小さな俺はその名前の使い道とかそんなことは良く分らなくて、それよりもミドルネームの方に目が行った。

「ねえいぎりす、このFってなぁに?」
「ん?これはミドルネームって言ってだな…」
「ちがうよ、略さなかったらなんていうの?これ」

俺の言葉に、イギリスは少し考えてからこう言った。

「秘密だ」
「えぇーっ!?なんでだい?教えてくれたっていいじゃないか!」
「自分で頑張って答えを見つけてみな。…頑張れば解ると思うぞ」

にっこり、イギリスがとびっきりの優しい顔で微笑むもんだから俺はそれっきりなにも言えなくなってしまった。
そして、俺は十年もしないうちにどんどん大きくなって—…



『F』の意味を知らないまま、俺はイギリスから永遠の独立をした。





















迎えたのは俺の始めての独立記念日。
これは俺の誕生日でもあるから、イギリスにも招待状は出しておいた。
イギリスは、来てくれるだろうか?
来てくれたらそれはすごく嬉しい。俺のことを認めてくれるってことだろうから。

でも、いつまで待ってもイギリスは来ない。
もうパーティが始まるっていうのに。


「よお、アメリカ!誕生日おめでとう!これ誕生日プレゼントな」
「ありがとうフランス!」


ポン、と俺の肩に手を置いたのはフランスだった。
相変わらず自慢の髪は健在のようだ。
いや、フランスよりイギリスだイギリス。
フランスなら彼のことを少しは知っているだろう。


「話は変わるけどさぁ…あの、イギリスは…その…来て、ない…のかい?」
「イギリス?あー…あいつなぁ…」

フランスの様子から察するに、イギリスは来てないのだろう。
ショックだけど、同時にやっぱりなぁと思った。


「アメリカ…」
「ううん、いいんだフランス。ありがとう」

来ないものはしょうがない、そう思っておこう。
パーティの主役が浮かない顔をしていては会場の雰囲気も悪くなる一方だ。


俺が笑顔に戻って安心したのと同時に、パーティの開始時間が来た。
会場にはもう人は殆ど揃っている。
フランスが高らかに声をあげた。




「アルフレット・F・ジョーンズこと、自由の国アメリカの誕生を祝って、乾杯!!」

















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