二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

またいつかあえますように ( No.160 )
日時: 2011/08/12 14:02
名前: 如月 ◆QWE8ZSUilM (ID: ppbZlmwS)

※水中心中(>>140)の続編みたいなもの
※仏兄ちゃんメイン
※消失ネタ






















イングランドとセーシェル共和国が海に沈んで3世紀と半分。
その間に世界はめまぐるしく変わっていった。
色々な国が消え、色々な国が生まれた。

けれど、研究者たちが言うにはそろそろ地球は終わるらしい。
資源の消費、環境破壊、地球温暖化…
数々の国が土へと還り、海へと還っていった。
自分もまた、消えてゆくのだろう。



かつて隣国であった島国の数少ない友人である極東の島国は、海へ。

「ねえフランスさん、アジアの国々はとうの昔に消えてしまいました。
そろそろ私の番でしょう。どうしてでしょうね、不思議と怖くはないんです。
なんだか酷く疲れてしまったようです。
私は、消えたらどこへ行くのでしょうね。
あの人に、また逢えると思いますか?
逢えるといいですね、あの寂しがり屋で、素直じゃない翡翠の瞳のあの人に。
嗚呼、なんだかとても穏やかな気分です。まるで春の木漏れ日のような—…」

そう言ったきり、電話は繋がらなくなってしまった。
日本国は消えてしまったのだ。静かな静かな最期だった。





ヨーロッパの国々が消えていき、もう自分だけしかいなくなったとき、思ったのだ。
嗚呼、明日は自分だな、と。

なんとなく自分の手のひらを見て、体が薄くなっているのに気がついた。
もうすぐ、自分も消えてしまうんだろう…。
怖くはなく、焦りも無かった。
心はとても静かで穏やかだった。


あの二人の島国も同じ気持ちだったのだろうか。
国という基盤を投げ捨てて、愛の海に身を投じた二人。
溺死は苦しいと聞くけれど、どうだったんだろうか。


自分の体はもう限界だ。
あと数秒で、完全に「フランス共和国」は消滅してしまうだろう。

ふと顔をあげると、そこには小さな南の島国を思わせる蒼、透き通るような綺麗な空。
そして、隣国の島国を思わせる 森に満ちたような春色の柔らかなひかり。
あの極東の島国も、二人を想い、これをみていたのだろうか?
心が、体があたたかくなる。
この光景を見れるのは、きっと、とても幸せで——…




























君影草の追悼
(願わくばかの島国の最期が、とても安らかなものだったでありますように。)




















==========================================
本当は生まれ変わりネタにするはずだったんですが、なにがどうなったのか…私にもわかりません(おい
*どうでもいい情報*
一番最後に残るのはメリカです。