二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

哀しい夢 ( No.33 )
日時: 2010/12/27 18:02
名前: 如月 ◆QWE8ZSUilM (ID: ppbZlmwS)


※毎度のことながら暗いです。
※人によっては腐向けに感じるか…も…








夢を見た。
とても哀しい夢を。


「おはよ、アーサー」
「……ふらんしす?」
「朝ごはんの準備できてるよー」

目を覚ますと、そこには腐れ縁のフランシスが。
…そう言えば、今日は俺もこいつも仕事が休みだったな…。


「随分うなされてたけど、悪い夢でも見た?」
「…?あー…んー……」

こいつは英仏トンネルが開通してから、よく俺の家に来るようになった。
俺が朝飯をちゃんと食っていないのを聞いて、飯を作ってくれる。
…いい加減この低血圧をどうにかしたいものだ。
会話をしたくても上手く舌が回らない。


「ほら、寝起きには水が良いんだってさ」
「んー…」

冷たい水をゆっくりと飲む。
だんだん意識がはっきりとしてきた。

「で、どんな夢みたの?」
「えーと…」
「悪い夢は人に打ち明けたほうが良いんだってさ」
「…んー…」


ぼんやりとだけれど、覚えている。
誰かに突き放される夢だった。

—あれは、お前かフランシス?


『ア  レッ  …!』
『お は なん 嫌 だよ』



「……!」
「どした?」
「………、忘れた」
「…そっか」

顔洗っておいで、そう言うフランシスは優しく笑ってみせて、部屋を出ていった。
本当は覚えている、俺が覚えてないと嘘を言ったのを、あいつは解っていただろう。



—夢を見た—
  —とても哀しい夢を—


兄さんたちに拒まれることはあまり苦しくはなかったし、
ピーターやアルフレッドに嫌われることもさほど悲しくはなかった。
だって、相手が死ぬわけじゃない。
俺はそういう運命なんだ、と。
そう思い込んで乗り越えていた。
…でも、でも独りは恐ろしく怖かった。





夢、揺らいで。
(アルフレッド…!)
(おれは君なんて嫌いだよ)













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なんか腐臭くて載せるか載せないか2日くらい本気で悩みました^p^
腐とかじゃなくて、友情というか何千年も隣国なんだから
仕事以外ではこんな関係なんじゃないかなあ、と自己完結ww

ちなみに英はあんまりメリカとか兄さんのことで傷ついてないように言ってるけど、
本人が乗り越えてる、って思い込んでるだけで無意識のうちにすごくすごく溜め込んでます。
そんな哀しいお話。