二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

翠色の瞳 ( No.8 )
日時: 2010/12/04 18:25
名前: 如月 ◆QWE8ZSUilM (ID: ppbZlmwS)

※髭と眉毛

「国って死んだらどこに行くんだろうな」
「は?」

世界会議が終わり、ほかの国たちが今日はどこで食事をしようかなどと会話しているときに、ぽつんとイギリスは呟いた。

「人は死んだら天国に行くってよく言うけど、国はどうなんだろう」
「え?…お兄さんに話しかけてる?」
「お前のほかに誰がいるんだよ」

そりゃ、友達の少ないイギリスだから
話かける相手といえば東のほうにある島国や
自分の元弟や、英連邦とか、腐れ縁の俺くらいしかいないだろう


「話戻していいか」
「国が死んだらどこに行くかってやつ?」
「ああ」
「そりゃーまぁ…うーん………えーと…」
「解らないならそれでいいぞ」
「…うん」
「人は、死んだら墓標に刻まれて、天国か地獄のどちらかに行くっていうけど、国の場合はどうなるんだうな」

いま考えるととても気になる。
そんなこと考えたこともなかった。
てかこの子はそんなことを毎日考えているのだろうか


「あー…そうだなぁ、お兄さん的にはさぁ…」
「なんだ」
「ありきたりな答えかもしれないけど…」

歴史に決まってんじゃねーか、と言おうとして、止める。
何故かというと、こいつの瞳の翠が小さく揺らいだからだ。

一人は嫌だ。不安で、怖くて、寂しくて、誰か助けくれ—

そう言ってるように見えた。
いつもならここで話を切って逃げだすだろうけど こんな眼で見られてはかなわない。

今日くらいはサービスしてやってもいいか。
俺は、人一倍寂しがりやで頑固で素直じゃない、隣国にささやくように言った。
こいつの表情が、少しだけ、和らいだ気がした。



—そんなの決まってる。墓でも、歴史でもなく、国の。お前を覚えてくれる国の心に、ずっと刻まれる—







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英に甘い兄ちゃんと遠まわしで弱音を吐いてる眉毛。