二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【学園アリス】幸せを求める愚か者 ( No.25 )
日時: 2010/12/05 18:41
名前: 無幻 (ID: 8hgpVngW)
参照: 初めての朱目線で頑張ります!!





「…能力開発研究所…………」
「朱、知ってんの?!つーか蜜柑はッ?!」
「翼、落ち着けって。俺だってなぁ、雅楽乃が心配なんだよ」


俺のシスコンっぷりを丸出しにしてみる。しなくとも分かるだろうと思いますけどッ!!


「…母さん、か」
「…朱先輩」
「何かな、えっと、蛍ちゃん」
「雅楽乃ちゃんのお母さんってどんな人なんですか」


意外な質問にお兄様ビックリ。綺麗なんだよね、この子もさ。まあ、雅楽乃程じゃ無いけどさ。そんな事言ってる場合じゃないけど。


「言わなきゃだ」「ダメですよ」


遮られた。訂正します、この子嫌い!!
子供の癖にしっかりした敬語を学んでるとか、秀才過ぎるでしょ。俺がばかなだけだろーけど。


「うーん………………はっきり言うと、アブナイ人」
「…危ない??」
「そう。とてつもなく人に依存しちゃう人なの」


そうだ、あの人はそういう人だ。


「あの、それってどうい」「うわっ!!」


俺が突然張り上げた大きな声に戸惑った雰囲気の蛍ちゃん。傍に居る全員が俺の方を向く。
そんなに見るなよッ!!緊張する!!………冷めた目で見ないで。


「うーわー、そういう事かよぉー…。………俺、お兄ちゃん失格」


俺は苦笑しながら消え入るような声で言う。


「やっべぇわ、ちょっと協力してくんない??」


皆の頭の上には沢山の「?」マークが浮かんでいる。
俺はクローゼットの中の文字をゆっくりなぞりながら言った。


「今本当に危ないのは蜜柑ちゃんじゃなくて、雅楽乃の方だ…」
「朱くん、どういう事かな」


鳴海先生が俺の前に出てきて言う。俺は少し焦っている鳴海先生を一瞥し、また文字へと視線を戻す。


「此処に来るまでの……………雅楽乃が歩んだ道の説明をするから、そっからは自分で考えて行動して。因みに俺は一度しか言わない」


真剣な目つきでこの場に居る全員へ伝える。
そうゆっくりと話している時間は無いと思うけど、俺は雅楽乃の言葉を信じて話そう。実は、俺が発見したメッセージは二つで、さっきの文字の上に、もう一つメッセージを見つけた。其処には『なるべく皆をひきつけておいて。私の過去を話してでも』と書いてあった。

何をするかは目に見えている。でも、雅楽乃なら分かるだろ。今居る自分の立場も。


「まず言うと、俺はあの家族とは関係ないんだ、元々な」
「それ、どーゆー事だよ」


翼が俺につっかかる。
俺は気にせず、そのまま話を続ける。


「俺は雅楽乃の母親の姉の子供なんだよ。ようは親戚ってやつだ」


姉が亡くなったので、母親代理が今の母さんってワケ。


「そんでな、雅楽乃は“雅楽乃”が要らないと思ってるんだ」
「…意味が分からないわ」
「別に、そのまんま。あの母親はな、父親の血と自分の血が混じった子供が欲しかっただけ。父親と自分の血が混じった子供なら、何でも良かった訳さ。あの夫婦はお互いに利益を求めるだけの政略結婚で、母親が父親を一方的に愛してた」


父親は好きなんだけど、母親はどうしても好かない。


「父親はさ、母親の事なんてどーでもいいんだよ。でも雅楽乃は流石に自分の娘だし、可愛がってた。それが許せなかったんだろ。母親は雅楽乃を殺そうとしたんだ。」
「「「「「 !! 」」」」」


雅楽乃が殺されそうになっている時。


「貴方は、その時止めたりしなかったんですか」
「出来る訳ねーじゃん」
「ッんでだよ?!」
「怖えーじゃんか、だって、俺血とかだめだもん。血を見たら、壊れちゃうんだよ」


皆が哀れそうに俺を見て、俯く。


「つー事でよ」


俺は立ち上がって扉の前で一旦止まる。
皆の方を向いて、俺は言葉を発する。


「お前らは、逃げんのか??」