二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【学園アリス】幸せを求める愚か者 ( No.28 )
- 日時: 2010/12/06 20:56
- 名前: 無幻 (ID: 8hgpVngW)
- 参照: わーい!!やっと雅楽乃の目線で書けるぅ〜♪
「走りながら話して下さい…っ、先程の私の質問に……」
私は蜜柑ちゃんの事にばかり気を向けてられないけど、それでも皆が蜜柑ちゃんを必要としているから、取り戻さなきゃいけない。蜜柑ちゃんと、私の平穏を。
「蜜柑は……私達の隠れ家に居るわ」
隠れ家というのが“Z”の隠れ家なのか、普通に柚香さんの隠れ家なのかという所は敢えて言及しないでおこう。話が詰まっても困るから。
「それと、私は貴女の過去を知っているし、だからこそ研究には加担してないつもりよ」
「…意味、分からないです」
「研究に参加しないと、蜜柑が利用されちゃうから…ッ」
蜜柑ちゃんのために、か。それにしても“Z”は随分と余裕だなあと、思うのですが。
「おいッ!!雅楽乃!!」
「………ッ?!殿ちゃん??」
私と柚香さんは一度立ち止まり、声が聞こえた方を振り返る。すると、殿ちゃんが私と柚香さんを地面に押し倒した。
「と…殿ちゃん??」
「雅楽乃ッ!!アリス使え!!俺と柚香さんとお前を一緒に潜らせろ!!」
「わ…分かった」
殿ちゃんに言われた通りに下に潜る。その時に、黒服の集団が見えたのは気のせい…では無いと思う。殿ちゃんは間一髪、という風な顔で私を見た。
「…何で、殿ちゃん居るの…」
「朱に呼ばれたんだよ」
納得の理由。というか納得するしか仕様がない感じ。
「一回上に出るよ。急に潜ったから、次元が不安定」
「おー」
コレでも一応、地面の中とはいえ違う次元を通りながら進んでいる状態だから、不安定だといつ出れるか分からない。
外に出ると、次元内に入る前に見た黒服の人達がズラリと並んでいた。
「…………っ」
私は急いで次元内に戻ろうとするが、誰かのアリスで地面に投げ出される。そのまま殿ちゃんと柚香さんが鎖で縛られる。これも何らかのアリスだろう。
雅楽乃の足が少しずつ震え出す。
———殿ちゃんも、柚香さんも、朱兄も、皆々私が傷つけていく……
自責の念が頭に纏わりつき、どうしても離れてくれない。
そこの黒服の集団の中から、仮面をつけた男性が割ってきた。私の目の前まで来るけど、下がる事も、進む事も出来ない。
「深谷……雅楽乃だな」
「………っ!!雅楽乃ッ、逃げろッ!!」
殿ちゃんの叫び声で我に返るが、足の震えが止まらず動く事が出来ない。
「………あ…ぅ……」
「雅楽乃!!」
「お前を必要としている人がいる。私と一緒に来い」
———動け、動け、動け!!
心の中ではそう思っているとしても、身体の方は動かない。やがて時は過ぎ去り、男性——ペルソナは雅楽乃の腕を掴んだ。掴んだ部位からどんどん毒が侵食するように広がっていく。
「うぇ??あ……れ……??」
「雅楽乃………ッ!!」
そのままペルソナの腕の中へと倒れこみ、気を失った。ペルソナは誰かの瞬間移動のアリスストーンを使って遠くへ飛んだ。飛んだ先で、意識が戻りつつある雅楽乃が聞いた言葉は、雅楽乃の頭を駆け回っていた。
———はい、例の少女捕まえました。これより其方へと連れて行きます。