二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【黒執事×復活】美術教師は家庭教師【オリキャラ募集中です】 ( No.4 )
日時: 2010/12/04 23:02
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
参照: http://名前を呼ぶのが面倒でしたら涼原でも夏目でも略して下さい

標的001 その教師、憂鬱

「日本なんか嫌いだ……」

翠は空港から飛行機を二度乗り継ぎしてからバスへと電車へと乗り……ようやく並盛町へと着いた。
乗り物に乗りに乗った彼の顔は蒼白で“乗り物酔い”と言う症状を見事体で表現している。
そして目を半分閉じながら左手で口を覆い、右手で上着のポケットを探っていた。
手を出したかと思えばそこにあったのは薄緑色の幼児が良く食べそうな飴玉だった。
翠は一応(彼の年齢が年齢だが其処は無視して)教師ではあるがその飴玉を躊躇せず食べる。
舌で転がしてゆく内に気分が落ち着いたのか翠の蒼白だった顔色が少し生気を取り戻していた。

「は〜……生き返る……」

翠はそう言いながらふぅ、と溜息を着いて並盛町を歩き始めた。
彼の目的地は並盛町。分かるかもしれないが彼は代替教師としてやって来たのだ。
ちなみに担当教科は美術。音楽と料理を得意とする彼には(ある意味)以外中の以外教科でもある。

「…………並盛中、何処だっけ」

そんな事をポソリと呟いて最初から出せよと言いたくなる地図をアタッシュケースから取り出した。
それをまじまじと凝視すると翠は迷う事無く並盛中へと足を向かわせる。
その足は何処か軽やかで楽しそうに見えた。しかし理由は不明。

(ボンゴレの十代目……どんな優秀な奴だろ)

そう思いながら翠はアタッシュケースを持って歩みを進めた。
……まぁその期待は色々な意味で裏切られるのだけれど。

暫く歩いたかと思えば、並盛中へと向かう生徒が見えた。
翠はほっと息を着いてアタッシュケースを軽々と持ち上げて門へと走って行く。

そんな奇妙な人影を、三人の少年が見つめていた。

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三人の内の一人—沢田綱吉は人影—翠を不思議そうな表情で見ていた。
彼はボンゴレファミリーと言うマフィアの大ファミリーの十代目で翠が期待をしている少年でもある。
まぁ、それは裏切られるのは言わないでおくべきなのだろうけど。

「今の人……誰だろ」

綱吉は二人の少年、山本武と獄寺隼人に首を傾げながら自然な様子で聞いた。
獄寺が自分の頭脳を駆使して考えていると、山本がそれをあっさり崩した。

「あれ、ツナ知らねーの? あの人今日から並盛中に来る代替教師らしいのな」

自分が答えられなかったと言う失態に仰け反る獄寺を宥めつつ綱吉はへぇーと心の中で呟いた。
……そう言っていられるのも、今の内だが。