二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 罪に塗れて。【ボカロです!】 ( No.3 )
日時: 2010/12/04 22:59
名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)

1-2「音楽室」

「ここはね、音楽室!」
と、ミクは楽しそうに案内してくれる。私はうわべの笑顔を見せる。
「ピアノの練習とか、一人で歌の練習とかしたかったらここにくればいいよ!」
いつもニコニコしていて疲れないのかしら……。と思う。

音楽室の扉を開けると、男の子の歌声が聞こえてくる。
「あれ、レン君!」
そこにいたのは金髪の男の子。とても洗脳的な歌を歌っていた。
「あ、ミクちゃん……」
少し照れくさそうに笑うレンと呼ばれた子。
経験豊富な私は、その笑顔を見て“ああ、好きなのね”と思った。

「ミク、案内はこの辺でいいわ。私、この子の歌を聞いてみたいの」
と、レンに熱っぽい視線を送る。すると、恥ずかしそうに目を逸らしてしまった。
初心な反応に心では黒い笑みを浮かべながら、ミクに笑顔で手を振る。

「さ、歌ってちょうだい」
と、瞳を閉じて彼が歌い出すのを待つ。

歌は、凄く洗脳的で、心ごと持って行かれるような、そんな曲だった。嫌いではない、そう思えた。

「フフッ、上手なのね───」
その声に、レンは身体をビクッと震わせて下を向いた。

「嫌いじゃないわ───」

下を向いた顔の下に潜り込んで、挑発的な上目づかいをする。
更に顔を真っ赤にした彼の反応を見て、心から私は愉しんでいた。