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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 罪に塗れて。【ボカロです!】 ( No.8 )
- 日時: 2010/12/05 10:43
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: BcdVt4VG)
1-3「跪いて足をお嘗め」
「あっ、あのっ……」
緊張と恥で絞り出したような声。
「フフッ、なぁに?」
心底愉しい。理性と本能の間で葛藤する姿。
「貴方は……?」
これ以上この人といると何かが壊れる。この人は怖いとか、そういうのじゃない。
ただ、本能的に危険と感じた。何が危険かは解らない。
「私? 私はアリカ」
まぁ、別にこの子が欲しいわけじゃないし。
そりゃ私に跪いて何もかも捧げる姿は見てみたいわよ。でもね───。
「あのっ、貴方の歌が聞いてみたい……!」
何とかしてこの人と離れないと。滅茶苦茶になる。何もかもが───。
「いいわよ。じゃあ───」
如何にかして私と離れたいのね。そうじゃないと自分が自分でなくなる───。
そんな感じがするのでしょう? 隠したって無駄よ、解るもの。
そして、彼女が歌ってくれたのは「跪いて足をお嘗め」と言う曲。
言葉では説明できない。ただ黒いだけでなく、純粋な想いと言うか。そんな要素が含まれているような歌。
アリカさんに凄く似合っている歌と思った。雰囲気も、歌詞も。全てが。
「如何? 上手だった」
クスッ、と楽しげに、でも少し残酷に笑う。
彼女の全てが美しいと思えた。彼女の為ならどうなってもいいと思った。
僕はもう彼女に溺れてしまったのかもしれない。
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