二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: もう一つの獣の奏者 ( No.40 )
日時: 2011/02/19 01:05
名前: スズ ◆ixbyCx13Wk (ID: OWe0NuL4)
参照: +第21話+

それから数日がたった。
あれから色々とあったけれども、イアルとエリンはアリエスとリナエスの2人に勉強を教えてもらう事になり毎日何かと楽しく時間が流れていた。
イアルも、初めてこの村に来た時と比べれば笑顔が多くなったとエリンは安心した。
怖い顔しか見せてくれなかったあのイアルを見れば誰だって安心するだろう…。アリエスとリナエスの方も最初は色々と戸惑い探り探りに勉強を教えていたが、今は何の戸惑いもない。ただ、祖母の話を何となく避けているのも事実である。
ガシュラの方はというと初めの方はイアルとエリンの2人に向かって良い顔をしなかったものの、色々と反省したのか最近では時々他愛のない会話を交わしてきてくれるようになった。
こういう風に周りの環境が戸惑いながらも平和になるのを感じ、そして何よりも自分の成長に自分で驚きながらイアルは今日もエリンと2人で行動する。イアルの目標である『エリンを守る』これはまだまだ継続されていた。

「ねぇイアル君!」
「…何?」
「明日、エシュラさんの所にちょっとだけ行ってみない?」
「何言ってるんだよ!!あそこはダメだってソヨンさんも……」
「でも!…でもさ!このままで良いのかな?」
あまりにも平和すぎたからこそイアルはその言葉をエリンから聞きたくは無かった。
『このままで良いのか?』それは自分も心のどこかで思っていた事、けれどあまり考えすぎないようにそっと蓋をしていた。
何もかもから逃げて、今のままの平和が続けば良いと思っていた。
けれど違う、それは逃げであるとエリンは真っ直ぐ訴えかけてきた。
ならば、自分は如何するか?答えは一つしかなかった……。

「分かった!ソヨンさんには内緒だよ…心配なんかかけたくないから…」
イアルとエリンは決意した。自分たちの疑問を取り除こうと…。
明日、何があるか分からないけれど、これは向き合わなければいけない大事な事である。
幼い2人の大きな決意であった…。