二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〔銀魂〕___雫ヲ流ス ( No.107 )
日時: 2011/02/26 18:18
名前: 瑠々 (ID: .qxzdl5h)



第十五話 絶対に


瑠璃は呆れていた。
ビックリする位呆れていた。

あの後、新八によって小太郎を家へ入れたが、これまた面倒臭そうな話を始めた。

国を立て直すのに協力しろ、だの。
俺とお前は共にいる運命、だの。

聞いているこっちもイライラする様な話。

勿論、当の本人の銀時も聞く耳持たず。
ジャンプを読む。ひたすら読む。
瑠璃は面倒臭くなったのだろう。傘を持ち、立ち上がった。

「新八くん、朱里・・あたし、ちょっと外出て良い?」

「あ、うん」

「いってらしゃーい」

瑠璃は一秒でも早く此の部屋を出る為に急ぎ足で玄関に向かった。


−−−−−−−−−−−−−−−−−

「ハァ・・・」

公園のベンチに腰掛けると瑠璃は溜息を吐いた。

(あの二人、全く変わんないなぁ・・・。少しは大人に・・・って人の事言えないか)

瑠璃は自分の姿を見て苦笑した。
瑠璃は見た目は十四歳位の女の子。でも中身は大人。
そんな人に「大人になれ」と言われるのも変だろう。

「「るーり!」」

「わぁッ!!」

突然の声に瑠璃は思わず声を上げた。慌てて後ろを見る。
其処には久しぶりの登場の駿羅と駿利。そしてアリスだった。

「こんな所で何しよーと?何時も以上に大人しくして」

「いや、こんな所で一人騒ぐのも変やろ」

素早い駿羅のツッコミが入る。
するとアリスが瑠璃の横にちょこんと座り、大きな茶色い瞳で瑠璃を見た。そして一瞬だけ不安そうな顔をして口を開いた。

「瑠璃はさ、鬼兵隊の船が空飛ぶの知ってるよね?」

アリスの問いにコクリと頷く。「なら話は早いね」と呟くと、続けた。

「江戸を出る日が決まったんだ。四ヵ月後・・・六月四日だって。其れで・・・・」

アリスは迷った顔をし、口を閉じた。だが、瑠璃は直ぐに分かった。
アリスが何を言いたいのかが。

「万事屋を如何するか、って事でしょ?」

「うん・・・」

さらりと言えた言葉だったが、少し寂しかった。
五月蝿いけど優しい新八。大食いで面白い神楽。美人で明るい性格の朱里。そして、やっと逢えた銀時。

皆と離れるのは寂しい。でも、忘れてはいけない事がある。
其れは自分が鬼兵隊隊員と言う事。

寂しさを堪え、慌てて笑顔を作った。

「大丈夫。皆には上手く言って置くし」

「そっか」

永遠の別れじゃないから。

絶対に逢えるから。