二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〔銀魂〕___雫ヲ流ス ( No.123 )
日時: 2011/03/13 10:31
名前: 瑠々 (ID: .qxzdl5h)



第十八話 声に出さなくても、


「———銀さん・・・あのね————」

「ただいまヨー」

瑠璃がそう言った其の刹那、新八と神楽が帰って来た。
瑠璃は新八達がリビングに来るのと同時に言った。



「あたし、ちょっとした事情で江戸を離れるんです」



瑠璃の言葉にその場に居た全員が固まった。
そして、神楽が悲しそうな顔をして、

「瑠璃、もう会えないアルか?」

神楽の言葉ににっこり微笑むと、

「大丈夫、神楽。用事が終わったら直ぐに帰ってくるし、絶対に会える」

瑠璃の言葉に神楽は安心したような表情をした。
すると銀時が口を開いた。

「江戸を一旦出る日は何時なんだ?」

「まだ先の事ですけど、四ヵ月後の六月四日です」

瑠璃はそう言うと外を見た。
空は赤く染まり、東の空は少し暗くなっている様だ。

「今日はもう遅いので帰ります。江戸を発つ日までは此処で今迄通り働きます」

瑠璃がそう言って帰ろうとした瞬間、朱里が瑠璃に声を掛けた。

「瑠璃、江戸に帰ってきたら万事屋に来てね。待ってるから」

「そうネ!瑠璃が居ないとつまらないアル。絶対返って来るアルヨ!」

「後四ヶ月、良い思い出を作ろう」

朱里に続き、神楽、新八が微笑みながら言った。
すると桂が瑠璃の肩に手を置き、

「お主が居ないと銀時が悲しむからな。俺も瑠璃殿と色々話をしたいんでな」

「「ヅラァァァァァァ!!!抜け駆け禁止ィィィィ(アルゥゥゥゥ)!!!」」

「うるせェェェェ!!!黙れヅラァァ!!」

其の瞬間朱里と神楽と銀時からのトリプルパンチを食らわされた桂は「ヅラじゃない桂だ!」と叫びながら遠く空の果てに消えていった。

瑠璃はにっこりと微笑むと、

「それでは、また明日」

そう言うと外に出た。
外は赤い夕日が眩しくて、黒兎の瑠璃は少し辛かったが苦ではなかった。


皆から掛けられた優しい言葉。


あたしは一人じゃないから。


声に出さなくても分かる。















消えない絆————・・・・。