二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 〔銀魂〕___雫ヲ流ス ( No.154 )
- 日時: 2011/04/30 10:47
- 名前: 瑠々 (ID: .qxzdl5h)
第二十話 驚く赤、決意の黒
「ちょッ、瑠璃ってアリスと知り合いなのッ!?」
「う・・うん」
鬼兵隊と言うことを隠さないといけない瑠璃。
隠し事はしたくない。でも、瑠璃が属しているのは、過激派攘夷志士、高杉晋助が率いる隊だ。晋助の事を知っている朱里でも言えない。
すると、朱里はアリスを見た。
にこにこと笑っていて、再会出来たのが嬉しそうに見える。
「ところでアリスって鬼兵隊だよね?何かごめんね、此の前は銀時のせいで」
「いいんだよ♪こっちこそごめんね、此の前は高杉のせいで♪」
二人が言う、『此の前』が、瑠璃は何となく引っかかった。
でも、何となく其の件には触れたらいけない気がして、聞かなかった。
少し重たい空気から逃げ出したくて、瑠璃は朱里の手を引いた。
「アリス、あたし達もう行くね。じゃね・・・ぐッ!」
早く立ち去ろうとした瞬間、横を通り過ぎろうとしていた者に思い切りぶつかり、瑠璃は其の所為で鼻を打ってしまった。
「ごめんなさい、余所見してて・・・って、あァ!」
ぶつかった相手・・・其れは笹を被った駿羅と駿利だった。
「瑠璃、ごめん。あッ」
二人とも、瑠璃に謝った後、朱里を見て声を上げた。
朱里は二人の姿を見ると、少し気難しそうな顔をしている。
「アレ?何此のメンツ。つーかなんで朱里ちゃんが此処に?つーかアレ?
あたし達何しに外ウロついとったんやったっけェェェェ!!?」
一人で勝手にパニくる駿羅を見て、駿利は、
暇だからウロついとったんよ、てゆーか落ち着け。と呆れながら、半ば乱暴に言った。
すると朱里は、駿利性格変わってね?と呟きながら、瑠璃と駿羅と駿利を見た。少し焦っているように見えるのは気のせいだろうか。
「あのさ、アリスは良く道ウロウロしてるから知り合うのは分かるよ。
でも・・・・・、何で駿羅達と知り合いィィィ!?」
朱里の驚いた表情と台詞に、瑠璃は焦った。
此れは万斎から聞いたのだが、駿羅と駿利は人斬り。
此の二人と瑠璃のセットなんて誰が考えるだろうか。
一方駿羅は、逆に朱里の言葉に驚いている様だった。
「其れはこっちの台詞。アリスは分かるとして、何で鬼兵隊と万事屋がセット?」
(・・あッ!)
しまった。瑠璃は心の中で叫んだ。実は此の二人には、万事屋で働いている事を言うのをスッカリ忘れていたのだ。
「瑠璃・・・、どういうこと?」
あの台詞を聞けば、朱里でも分かる。朱里の銀色の瞳は、驚きと真実を求めている様だった。
「・・・朱里、あの・・・ッ」
真実を言おうとしたが、口を閉ざした。
此処で真実を話して良いのだろうか。
真実を話し、もしも銀時達が離れてしまったら?
其の二つが瑠璃の脳裏を過ぎる。でも、
「———実は鬼兵隊なの・・・」
もう二度と、今までの様に居られなくても、
大切な人達だから、大切な仲間だから、
嘘をつきたくない————・・・。