二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〔銀魂〕___雫ヲ流ス ( No.172 )
日時: 2011/06/25 13:10
名前: 瑠々 (ID: .qxzdl5h)


第二十一話 タイムリミットの始まり


「———実は鬼兵隊なの…」

それから瑠璃は少しずつ話し出した。
晋助に拾われて鬼兵隊に入ったこと。
そして何よりも、万事屋に入ったわけ。

「万事屋は、あたしが鬼兵隊員って忘れるくらい楽しい。
本当に仲間だと思ってる…」

例え、皆が離れていってしまっても。

余りの衝撃に、朱里はしばらく動けないでいた。
瑠璃が鬼兵隊員ということに驚いているのは勿論だが、それ以上にあの『事件』の事でだ。
朱里は一つ、息を吐くと瑠璃を見た。

「この事…あの三人には言うの?」

「…言いたいんだけど、なんだか言えない……」

「そっか」

朱里は少し悲しげに微笑むと、瑠璃の手を引き、走り出した。

「アリスまたね———!」

と元気に言いながら。

朱里は瑠璃に視線を移すと、蔓延の笑顔で、

「早く帰ろう!」

瑠璃は驚きながらも、にっこりと微笑み、

「うん!!」


               *

場所は変わって真選組屯所———…。
局長室に監察の山崎が入って来た。

「局長。鬼兵隊について新しい情報が入りました」

「どんなだ?」

局長・近藤と山崎は何時にもなく真剣な表情になった。
山崎は一つ息を吐くと言った。

「実は高杉達は今、江戸にいるそうです。そして、やつ等が江戸を出る日が二ヵ月後、6月4日」

山崎が言い終えると、近藤は副長の土方と一番隊長の沖田を呼んだ。

「トシ、総悟。高杉の野郎は今江戸にいて、6月4日に江戸を出るそうだ」

その瞬間、土方と沖田は眉間に皺を寄せた。
近藤は勢い良く立ち上がり、

「やつ等が江戸を出る一ヶ月前、5月4日に……一気に攻めるぞ」


               *


「急に雨が降ってきましたね」

新八がお茶を飲みながら言った。瑠璃も顔を上げ、空を見る。
外は風が強く、雨音が部屋の中に響く。

(嫌な天気…)

その瞬間空に稲光が走り、物凄い破壊音が瑠璃の耳に響いた。


タイムリミットまであと一ヶ月。