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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 〔銀魂〕___雫ヲ流ス ( No.35 )
- 日時: 2010/12/24 16:20
- 名前: 瑠々 (ID: 5YaOdPeQ)
第五話 戦場で、
暗い。何もかもが真っ暗で、辺りには沢山の屍が横たわっている。
戦場でたった一人、死体の上に座り込み曇空を見上げている少女が居た。少女の瞳は異様で、血の様に真っ赤な色をしていた。
すると、少女は辺りをゴソゴソし出した。
——少女の小さな手に握られているのは握り飯。
少女は握り飯を眼にすると、一瞬だけ瞳を輝かせ、頬張り始めた。
すると、少女はピタリと手を止めた。
ゆっくりと後ろを振り向く。其処には、刀を持っている数十人の大人達。少女は立ち上がると、大人達を睨み付けた。
「・・鬼の子を、倒せ」
「・・・殺せ」
その言葉が少女の耳を通る。すると少女は傘の持ち手を引っ張ると、押した。
ダダダダダダダダンッ!!
傘から鉄砲玉が飛び出し、大人達が次々に血吹雪をあげ、倒れて行く。
少女の額や、着物に血が飛び付く。
それでも少女は気にせず、ニヤリと不気味に笑った。
まるで人を殺めるの好むかの様に。
まるで血を好むかの様に。
少女は再び死体の上に座ると、血の付いた握り飯を捨てた。
それと同時に、曇空から雫が落ちて来た。雨だ。
でも、少女はそんな事気にせず、座り込んでいた。
ただただ、悲しい瞳をして。
ただただ、一寸先の未来を見て。
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