二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 〔銀魂〕___雫ヲ流ス ( No.93 )
- 日時: 2011/01/24 13:02
- 名前: 瑠々 (ID: TV9sr51/)
第十二話 夕暮れの空
あれからどの位経ったのだろうか。
神楽達と話が弾み、気が付いたら日が沈み始めていた。
(そろそろ帰らないと・・・)
万事屋から港までは少し時間が掛かる。早めに帰らないと、日が沈んでしまうだろう。瑠璃は銀時に駆け寄ると、
「あの、早く帰らないと日が沈んでしまうので今日は帰ります」
「え〜、もう帰るアルか?」
「うん。家まで結構遠いし・・・。でも、明日も来るから」
瑠璃の言葉に残念そうな顔をする神楽だが、「明日も来る」と言う瑠璃の言葉に目を輝かせた。(仕事場だから明日も来るのは当然なのだが)
「それじゃあ。さようなら」
瑠璃はそう言うと、万事屋を出た。
空は夕日で真っ赤に染まり、道を通る人や建物が橙色になっていて
とても綺麗だった。すると、背後から声を掛けられた。
「瑠璃、こんな所で何してるの?」
「アリスこそ」
後ろを振り向くと、同じ鬼兵隊の九条アリスが居た。
天然で元気な性格で、鬼兵隊の皆からも好かれている。勿論瑠璃も
アリスの事が大好きだし、姉妹の様に慕っている。
するとアリスは、瑠璃が出てきた万事屋を見た。
「此処で働く事になったの?」
「うん。今日が初日」
「でも本当、高杉って人使い荒いよねー」
瑠璃はアリスの言葉に苦笑した。アリスも攘夷戦争に参加していたからか、晋助の愚痴を普通に言っている。まあ、こんな事を晋助の前で言ったら抹殺されるだろうが瑠璃は羨ましかった。
瑠璃も晋助と幼馴染だが、今は『仲間』。晋助の知っている『瑠璃』とは違う『瑠璃』として生きている。
瑠璃はもう、馴れ馴れしく『晋助』とも呼べないから友達の様に晋助と接しているアリスが羨ましかった。
「ね、帰ったらUN●でもして遊ばない?」
「仕事サボるの?」
「勿論♪だって面倒臭いもん♪」
アリスの言葉にまた笑うと、空を見た。
真っ赤に染まった夕空。
まだ逢えていない桂も、此の空を見ているだろうか。
松陽も此の空を見ているだろうか。
瑠璃は、橙色に染まった空を仰いだ。