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１２話　犯罪者



燃え尽きた後には、腰まであった長い髪が短くなっていた。

そしてバケツにあった水を思いっきりかけられた。


「どうしてあんたみたいな根暗が海斗と居るの？」


顔をグイっと上げられ、目の前には女の顔。

女の長いまつげがパチパチと瞬きをする。


「知らない。なんで知ってんだよ。」

「昨日見たのよ。ゲーセンで２人が居る所を。」

「私は声をかけられたの、勘違いしないで。」

「勘違い！お前に言われたくねぇよ！」


思いっきり蹴飛ばされ、足にはあざができた。


「偽善者に言われたくないわよ！！」


片手にカッターナイフを持ち、私の太ももにカッターを刺した。


「きゃあぁああ！！」

「うるさい！根暗が喚くな！！」


太ももから血が垂れる。

女の行動に、生徒はどんどん逃げ出した。


そして女はカッターを投げ、どこかに行ってしまった。

太ももを見ると何か書かれていた。


　　　犯罪者


きっと海斗さんを取られたと思ったのだろう。

私は犯罪者と書かれたのか。


血が溢れ、頭がこげ臭かった。


「犯罪者か、いいじゃんか。上等だ・・・。」


教室で１人笑い出す。

それは狂った笑い。


神様、私を必要な人間はいるのでしょうか？



１２話終わり