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１３話　必要？



乱れた髪を整え、濡れた服を乾かしたら、私はある場所へと向かう。

それは海斗さんの家。


「海斗さん。」


海斗さんの家の中でそう呟く。

聞こえてないのか、海斗さんは台所でココアを作っていた。


「はい、出来たよ。」

「ありがとう。」

「そういえば、髪切った？」


心臓がドキッとし、部屋が静かになった。

切ったんじゃない、切られたんだよ。


「う、うん。似合うかな？」

「うんうん！可愛いよ！」


笑顔で答える海斗さん。


海斗さんはどうして私なんかに声をかけたのだろう？

私は不要な人間。

必要な人じゃない。


「悠嘉は、不要だと思ってる？」


急にそんな事を言われ、どう答えようか迷う。


「俺という人間は不要だと思う。悠嘉と一緒だな。」


笑顔で答える海斗さんだが、どこか寂しそうだった。

ううん、違う。私は海斗さんが必要。

だっつて、こんな私を、きっと必要としてくれたから。


「私は海斗さんが必要だよ。」

「俺も悠嘉が必要だよ。」



不要な私達だが、私達はお互い必要としてる。


じゃあ、源ちゃんは、私が必要ですか？



１３話終わり