二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: [[遊戯王]] 決闘者の道を歩む者 ( No.42 )
- 日時: 2010/12/19 20:56
- 名前: 青金石@翼神竜 ◆Mw9em79sDc (ID: ZMeIuJbG)
第三話『対立会社・・・まさかの海馬vs世南!?』
「樹野原グループの娘か・・・!?」
「え・・・、今は妹ですが・・・」
「海馬くん、世南ちゃんを知ってるの?」
世南と男の話が続くと、間を割って遊戯が問う。
「世南と言うのか。H.jはKC(海馬コンポレーション)と対立するいわゆるライバルだな。」
「KCの・・・?」
「KCの社長なんだよ、海馬くんは」
暫し間をおいて考え込む。数秒後にポンと頭に浮かび上がった。
「海馬瀬人様ですね!」
ようやく思い出せたようだ。改め海馬は鼻で返事を返し、本来の目的を果たそうとする。
「じーさん、このカードパックを俺に譲れ!」
海馬は対立会社として処分する事が目的なのかもしれない。
「だ、ダメじゃ! このカードは滅多に手に入らない代物じゃぞ!」
「ふぅん・・・そんな馬の骨の会社のカードよりも俺のKCの方がつわものばかりだぞ。」
世南は海馬の言葉を聞き、拳をぐっと握り締めた。
「撤回してください! お父さんの魂をこめて作ったカードを汚さないで下さい」
「世南!」
杏子が海馬に歯向かう世南を止めに掛かろうとするが、世南はどうも本気なようだ。
「その度胸、父親と似ているな。ククッ・・・ならその力をデュエルで見せてもらおうか」
「あ・・・・・・う・・・」
世南の頭の中に不良達とデュエルしたフラッシュバックが過ぎる。
段々歯向かう勇気が薄れていく。
「世南! お前のそのカードで海馬を蹴散らしてやれ! 自信を持つんだ!」
その時、城之内は世南と出会った時、不良から救ってくれた時の言葉を紡いだ。
世南はその言葉のおかげで、もう一度海馬に立ち向かった。
「海馬、様・・・私のお父さんの作ったカードでデュエルです・・・!!」
「俺とデュエルとは無謀な事だが、まあたまには良いだろう。」
世南と海馬は店の外へ行き、デュエルを行うことになった。
「ほ、本気でやるつもりかよ・・・あの海馬とだぞ? いくらなんでも初心者の世南と・・・っていうか世南、デュエルできたのか!?」
本田が長々と心配すると、最後にツッコミを入れる。
世南はデュエルをするが、まだ腕の方は大したこともない。
城之内は信じるだけだった。
その次の瞬間に、遊戯の首から下げてある逆三角形のペンダントの様なものが光を放った。
光は辺りを照らし、目をくらます。
「海馬とデュエルか。面白そうだぜ!」
「もう一人の遊戯・・・?」
光が収まると、遊戯の身体に異変があった。背も少し伸びていて、目つきも鋭くなって口調も違う。
世南は変わった遊戯を見る。
「な、何だか遊戯様が変わった気が・・・?」
「言い忘れていたな。俺はこの千年パズルに宿る魂、もう一人の武藤遊戯。」
千年パズルは遊戯が首から下げていたものだ。どうやらその中にもう一つの人格が篭っているようだ。
もう一人の遊戯によると、詳しいことはまだよく分からないようだった。
『ふふっ・・・・・・あれが・・・・・・』
*
「「決闘(デュエル)!!」」
世南と海馬のデュエルが開始される。お互い4000Pのライフが与えられる。
先攻を手にしたのは海馬だ。彼はカードを一枚山札からドローし、手札五枚に加えた。
「俺はブラッド・ヴォルスを攻撃表示で召喚。カードを一枚伏せてターンエンドだ」
海馬のブラッド・ヴォルスの攻撃力は1900と高めだ。世南は警戒しながらカードを引く。
「私のターン・・・、魔法カード、ライトニング・ボルテックスを発動!」
「何っ!?」
マジックカードの効果で、海馬のモンスターは破壊され、墓地へ送られる。
「さらにブリザード・ドラゴンを召喚し、ダイレクトアタック!」
「ぐあああっ!!!」
海馬はブリザード・ドラゴンの1800のダメージを受け、LP(ライフポイント)4000から削られる。
「カードを一枚伏せて、ターンエンドです。」
世南はリバースカードを伏せて、ターンを終了した。
再び海馬のターンが回ってくると、不敵な笑みを浮かべてカードをドロー。
「俺は、ドラゴンの支配者(ロード・オブ・ドラゴン—ドラゴンの支配者—)を攻撃表示! そして、ドラゴンを呼ぶ笛を使う!」
海馬のマジックカードの発動により、笛が現れ綺麗な音色を響き渡らす。
その音色に惹かれ、海馬の手札からドラゴンが舞い降りた。
「ふっはははは!!! いでよ! 青眼の白龍!!」
「で、出た・・・! 海馬の切り札・・・ブルーアイズ!」
現れたのは白い身体と青い瞳を持った美しいドラゴンだった。
攻撃力3000と強力なモンスターに、世南は全身を震え上がらせた。