二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: [[遊戯王]] 決闘者の道を歩む者 主人公絵up ( No.60 )
- 日時: 2010/12/22 21:43
- 名前: 青金石@翼神竜 ◆Mw9em79sDc (ID: ZMeIuJbG)
第三話『降臨! 鋼鉄を纏いしドラゴン』
海馬瀬人が青眼の白龍、ブルーアイズ・ホワイトドラゴンが世南の前に立ちはだかった。
青い眼に惑わされ、隙をつかれそうなくらい。
攻撃力も最強の数値ともいえる。世南の場には1800のモンスターしか居ない。
本来、ドラゴンを呼ぶ笛は二体まで呼び出せるのだが、海馬の手札には一体のドラゴン族しか居なかった。
「行くぞ! これが俺のカードの力だ! 滅びのバーストストリーム!!」
ブルーアイズは口から強大な光線を放ち、世南の葉のモンスターを儚く破壊した。
それと代償に、世南のLPは1200削られ2800と減少する。
「ターンエンドだ」
世南は顔を強張らせ、デッキに手を置く。自分の父のカードを信じて勢い良くドロー。
引いたカードを見ると、口元を少し緩めた。
「伏せカードオープン! 魂を託す龍(ドラゴン)を発動します」
世南は先程から場に伏せてあったカードを発動させた。
「あんなカード・・・あったか!?」
確かに世南の罠(トラップ)カードは見たことのないものだった。
そのカードも恐らく世南の父が造ったカードの一つだろう。
「この効果、自分フィールド上のドラゴン族が墓地へ送られた時、手札またはデッキからLv4以下のドラゴン族モンスターを特殊召喚出来ます」
世南はデッキからカードを一枚手にし、モンスターを特殊召喚する。
「鉄壁の龍を召喚!」
彼女が召喚したモンスターは背中にいかにも堅そうな鉄壁の甲羅を背負っている。
守備力2200という防御型のモンスターだ。
「ふん、そんな雑魚モンスター直ぐに粉砕してやる!」
「そうは行きません! 私は手札から、翼の生えた魔物を召喚します」
次には手札からかなりレベルが低いモンスターが召喚された。
小さな悪魔のようなモンスターに白い翼が生えている。キシシと奇妙な声をあげていた。
「さらに、融合を発動して、鉄壁の龍と翼の生えた魔物を融合」
二体のモンスターはお互いに渦を巻き、新たなモンスターへと進化を遂げた。
遊戯達も目を凝らして、世南の融合モンスターに期待を胸に抱く。
「海馬様、これは私の切り札でたった一枚のカードです! 融合召喚! 降臨せよ、鋼鉄の翼龍(アイアン・ウィングドラゴン)!!」
渦から放たれる光は上空へと一直線、やがて雲に覆われた空から一体の輝きを持つ龍が現れる。
全身鋼鉄で纏った龍は主人の目の前へ羽をはばたかせて着地した。
「あれがH.J幻のレアカードと呼ばれる世界に一枚しかないカード・・・」
彼女のドラゴンをしかと眼に焼き付けたのは双六であった。
世南は自信がついたのか、怖気づいた姿は一つも見せない。
「鋼鉄の翼龍(以下、アイアンウィング)のモンスター効果、自分の墓地にいる守備力2000以下のモンスターを装備し攻撃力に加える。
私は墓地に眠るブリザード・ドラゴンを装備」
攻撃力2400のアイアンウィングにブリザード・ドラゴンの守備力1000が加算させれ、合計3400とブルーアイズを上回った。
「くっ・・・・・・」
「バトルです、鋼鉄の翼龍で青眼の白龍に攻撃! アルティメット・アイアンブラスト!!!」
アイアンウィングは堅そうな翼と身体を使ってブルーアイズを撃破。その攻撃はとても美しかった。
(美しい・・・・・・やはりレアもののカードはこれ程の力を持っているのか——)
海馬には400のダメージが与えられる。だが海馬は突然表情を変え、世南に告げた。
「気に入った、樹野原世南。貴様のそのカードは最強そのものだ認めてやろう。」
「何を言っているんですか? 勝負はまだ終わって・・・」
世南の言葉を遮るように、海馬は前から伏せてあったカードを発動させた。
それは罠(トラップ)カード"破壊輪"。
「この効果で貴様のアイアンウィングを破壊、そしてお互いにその攻撃力分のダメージを喰らうのだ!」
「そんなっ・・・!!!!」
そして3000ポイントがLPから大幅に削られ、最終的にはお互い0となり勝敗は引き分けとなった。
ヴィジョンであるモンスターの姿は消え、疲れた世南は足からバランスを崩す。
そのふらついた身体はしっかりと城之内が抱えた。
「世南、すげーじゃねーか! あの海馬のブルーアイズを倒すなんて! やっぱり強ぇな!」
城之内は世南にそのままの気持ちと笑顔を浮かべる。世南は少しだけ頬を赤らめた。
後から、遊戯や杏子達も駆けつける。褒め言葉で賑わいでいた。
「世南、次に会った時は真剣勝負だ。まあ俺に勝てるわけがないがな」
高らかな声を上げて世南達に背を向けて去っていった。
次こそはとその裏には、何かを企てる計画を立てていたのは誰も知らなかった。