二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:   ドラゴンクエスト—Original—  漆黒の姫騎士  ( No.102 )
日時: 2011/03/30 12:56
名前: Chess ◆JftNf0xVME (ID: fckezDFm)

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 ずばーんとかごうごうとかしゃーんとか、なんだか気の抜けた攻撃音を背音楽に、マイレナは
じーっ、と宝箱とにらめっこをしていた。
 右の奴は新しい。隣は少し古いが、鍵穴は綺麗だ。さらに隣はその逆。一番左は、かなり古い。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 こーゆー目利きはティルスの仕事だろう、とか思ったのだが、もちろんそんな愚痴がティルスに届くはずもなく。
「・・・・いくぞ。あけるぞ。私知らないぞ」
 最後に無神経なことを言い、マイレナは右から開け始める。
中身は、

 空

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 なんだかそのことで大きな敗北感をもたらされたマイレナ、隣へいく。
右から二番目、中身は、

 ガラクタ

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 反応のしようがなくて、マイレナはバコタンッ! と怒り混じりに箱を閉じる。
左から二番目、中身は、

 武器

「・・・・・・・・・・・・・・・もらうよー」
 金欠マイレナ、この場で泥棒と化す(マイレナ曰く“盗賊”と言ってくれ!!)。
左。
「・・・こいつ、かなぁっ・・・と」
 中身は。

 黄色い光二つ。

「・・・・・・・・・・・・ん?」
 その二つの光を覗き、にらめっこしてから・・・マイレナは、ぱたんっ! とすぐにふたを閉めた。
見なかったことにしよう、そうしよう・・・と思ったが時すでに遅し。



「ギィィィィィィィッ!!」



「ひーゴメンナサイゴメンナサイ、起こすつもりにゃなかったんだよーっ!」
 なんと。四つ目の宝箱の正体は、ミミック、と呼ばれる宝箱に魂をしがみつかせた魔物だった!
「待って待って、落ち着いてぇ。私が悪うございましたぁあっ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
 マイレナぴょんぴょん逃げ回り、ミミックぴょんぴょん追いかける。
そして戦い終えた三人、唖然と見守る(というかいきなりの展開に動けない)。
それにしても、どちらもすごいスピードである。四人の中で一番素早いのはやはりティルスなのだが、
明らかにそのスピードを上回っているほどの俊足である。
「・・・マイレナって、足速かったんだ・・・」
 レイサの呟きに、
「・・・この三年行動を共にして・・・まったく知らなかった」
 リーシアがそう答えて、
「ありゃ火事場の馬鹿力、ってやつだろうな・・・しかしまーあのミミックも速ぇな。
若干マイレナより勝ってんじゃねーか?」
「まずいだろそれ。・・・・・・・・・ん」
 答えてから、リーシアがミミックの首(?)に巻きついた紐を見る。その紐の先には、宝玉があった。
「・・・あのミミックに絡み付いてるあれって」
 リーシア、ティルスに確認する。
「・・・・・おっ、まぎれもない、静寂の玉だ・・・ってことは、おーいマイレナ、お手柄だぜ。
そのミミックに、静寂の玉、ついってっからよ!」
「っ、っ、っ、っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
 当然、マイレナは答えられる様子ではない。
「・・・仕方ないね。手伝ってあげよっか」
 マイレナの必死の逃走にも大して重大そうな様子を見せない三人は、ようやくマイレナを助ける気を持ち始める。







      Chess)なんだかいつもと違う感じの小説になったな・・・