二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ドラゴンクエスト—Original— 漆黒の姫騎士 ( No.45 )
- 日時: 2011/01/25 17:36
- 名前: Chess ◆JftNf0xVME (ID: FjkXaC4l)
「・・・酷い、の内容は?」
マイレナの声で、話は続く。
「うん。典型的。税金高いし治安悪いし難民が増えてるし盗賊・強盗・恐喝云々も見るようになったし
志願兵募集中とか言っておきたがらあたしの兄貴は女王様直々の命令で強制的に兵士にされたし」
「・・・な、なんでまた。——まさか、よそに戦争しかける気?」
「かもね」レイサはさらりと言う。「このご世態ってーのに、そんなことやってる暇あんのかしら」
「ってか、その国、軍事国なの? それとも革命があった?」
「ううん。・・・ただねぇ。噂として、王子様の許婚が行方不明になったから、ってのがあるわ。
どこかの国に隠しているんじゃないかとか言って」
「王子の許婚ぇ?てことは、どっかの姫か何か?」
「そ。北東にかまえる、世界一の大国マレイヴァの、ヴェルシーナ姫よ」
「マ・・・マレイヴァ!?」
ここで初めてマイが、リーシアに向く。
「リーシャの出身地じゃ——って、どしたのリーシャ?」
リーシア、夢から覚めたようにはっとする。
「なっ、何・・・?」
「何、じゃないよ。どーしたの? らしくない」
「もしかして」レイサが指差す。「お姫さま?」
リーシャの機能が全停止している・・・マイレナがそう思ったほど、リーシアは固まっていた。
だが、すぐにふっと笑い、
「ばっかねぇ・・・!」
そう、呟いた。
「わたしがヴェルシーナ殿下のはず、ないだろ? 一体何がどうなったら、そんな風に」
「・・・ふうん? ま、いっか」
何がいいんだろう、とマイレナは言おうとしたが、なんだか妙なところに突っ込んでいるような気がしてやめた。
「そういやさ。ヴェルシーナ姫って言ったら、“姫騎士”って呼ばれてたんだよね」
「あ、それ知ってる」マイレナ。「詳しくは分かんないけど」
「何だそれ、意味ないじゃん」
レイサがけらけら笑い、教えたげる、と一言。
「ヴェルシーナ姫が姫騎士って呼ばれるのは、まずは姫君にもかかわらず
すんごい戦い慣れしてるような方だったから・・・生まれながらにね」
「う、まれ、ながらぁ・・・?」
「そ。あたしが生まれながらの魔法使いだったみたいに、姫君も生まれながらの騎士の才能を持ってたんだろうね」
すげぇ、と、マイレナが娘らしからぬ言葉を使う。
「そして五年前・・・マレイヴァを魔物の集団が襲った。理由は、ヴェルシーナ姫を殺すためといわれてるわ。
彼女は“闇と光の継承者”って呼ばれていて、魔物から恐れられていたから」
「・・・継承者? まさか・・・」
「知ってるか。そう。世界共通の伝説、あるいは昔話の“世界樹人”——その子孫だった可能性があるわ」
世界樹人。今はまだ、説明をするべきではない。 (←作者のカッコつけた物言い)
「で、姫君とその兄様、つまり王子様はマレイヴァの兵士と戦ったけど・・・王様と王妃様は、
崩れた城壁に飲み込まれ、生死不明。生き延びたはずのヴェルシーナ姫と王子様も、
行方知れずとなってしまった・・・ってわけ」
「な・・・なんだよそれ、ひどい」
マイレナは憤慨する。しかしすぐに、何かに気付いてリーシアに向き直る。
「もしかして、リーシャの言う敵討ちって・・・マレイヴァを襲った魔物?」
「えっ!?」
リーシアの声が上ずる。
「あたりだね」マイレナは得意そうに言った。
Chess) 長いので再び打ち切り。