二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ドラゴンクエスト—Original— 漆黒の姫騎士 ( No.46 )
- 日時: 2011/01/25 20:04
- 名前: Chess ◆JftNf0xVME (ID: FjkXaC4l)
「とにかくさ、マレイヴァとも交流深かったグラモンなんたら王国に行ってみようよ」
「・・・あ、あぁ・・・言おうとしていたんだ」
マイレナのグラモンなんたらに少々の疑問を感じたが、リーシアはとりあえず何も言わないで置いた。
「方針決まり! ね、レイサ。グラモンなんたらって」
「グラデンヘルゼ」
「それそれ。グラタンヘルゼってどう行くの」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ここまで来ると、わざとしか思えないのだが、恐ろしいことにマイレナは大真面目に間違えていた。
「ここを出て東の川沿いに北へのぼり、その先の橋を渡ってさらに東、
今度は崖沿いをぐるっと西へ回って二つ目の橋を渡った先の町の船に乗せてもらい・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「船着き場についたらそこを出てさらに西の十字路を南に進みずっと歩いた先の関所を通って
南西の道沿いをずーっと歩いた先がグラデンヘルゼよ」
「・・・・・・・・・・・。あんた人間レコーダー?」
「ここじゃ常識」レイサ即答。次いで、リーシアが尋ねる。
「・・・“船に乗せてもらう”って、違う大陸に行くわけじゃないんだろ?
ここはグラデンヘルゼの支配下にあるっていうのなら」
「まあね」レイサは頷く。
「崖になってて、行く手を阻んでるの。実際距離は6キロほどでも、最短経路は15キロくらいあるかな」
「それじゃあ治めるのも大変なんじゃないのか?」
「まーね。助かってるよ。あそこのひどい政治が、ここに届かないんだからさ」
「・・・そんなに、ひどいのか・・・」
「うん。前はそうじゃなかった・・・国は変わるものだね。ヴェルシーナ姫も、かわいそうに」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
リーシアがやはり黙り込む。姫君のことをよく知っているんだろうか。レイサはそっと、そう思った。
「・・・ところで」
重い空気を振り払うように、レイサはいきなり言った。
「どうせ今のでグラデンヘルゼの行き方がわかるわけないし、あたしが案内しようか」
「えっ! いいの!? ——って、また偽物武器防具じゃないよね?」
「んなわけないでしょう!」
おどけたマイレナの意見に、レイサすかさずツッコミ。
「・・・昨日の恩もあるんだしさ」
「ん。まぁ——リーシャ?」
リーシアの眉が——寄ってはいなかった。ついでに動いていないわけでもなかった。
一応、疑惑、重大、不審・・・云々はなさそうだ。
「・・・いいですよねリーシャさん?」
「ああ」応えた。「頼む」