二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:   ドラゴンクエスト—Original—  漆黒の姫騎士  ( No.67 )
日時: 2011/02/21 16:32
名前: Chess ◆1OlDeM14xY (ID: PdKBVByY)

久々に更新するとしませう。←




 翌朝のマイレナの目覚めは最悪だった。
マイママ流寝坊娘瞬間目覚まし術その二である(その一は例のフライパン&おたまのアレだ)
シーツはがし+娘落としをされ_つまりはベッドのシーツを一気にはがしてマイレナを落とすという手荒なものなのだが_
おまけにうつろな耳元でフライパンおたま叩きをされると言う始末である。
これで起きないわけがないのは確かだが、目覚めがいいはずもなかった。

「ほらほらマイレナ、サッサと着替えなッ! 巫女の使いの役はアンタなんだからしっかりするッ」
 これでしっかり出来るか、とマイレナは心底抗議したくてたまらなかったが、
その気力は巫女の使いの証であるこの実に面倒臭い服を着ることに費やした。
「おや・・・着てみりゃ様になるもんだね。馬子にも衣装かねぇ」
 余計なお世話だ! と言おうとしたが、その気力は今度は食事に費やした。
・・・そういえばさっきから一言も反論していない。

 マイレナが半死人のような顔で家から出ると、よく見える位置でフェイクスとティスが喋っている。
フェイクスが先にマイレナに気付き、マイレナはおはよ、と呟き、ティスはおはようより先にマイレナの格好を見て叫ぶ。
「マイレナ、かーわーいいー!」
「朝から口説くな」
 フェイクスがそのまま、自分より少し低い位置にあるティスの頭を遠慮容赦なくはたいた。・・・凄い音だった。
「てっ! 何すんだよぉ。いいじゃん、馬子にも衣装って奴で」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
 フェイクス&マイレナ、二人してジト目でティスを睨む。
「・・・ケンカ売ってる? それ」マイレナが言い、
「お前・・・意味分かってないだろ」フェイクスがつっこむ。
「何のコト?」そしてティスが、マイレナとフェイクスの質問の答えを一気にまとめて言った。
本気で分かっていないらしいティスに二人はほぼ同時に深々と溜め息をつき、その間にティスはサッサと話題を変えた。
「それよりさマイレナ、ナヴィーはもうあそこのテントで準備満タン。急いで行ってきなよ」
 んじゃ、と軽く手を振られ、ティスは水の門向かって小走りした。
フェイクスはやれやれと頭を振り、それじゃ、がんばれよと、マイレナの肩を一度叩いてから炎の門向かって歩いていった。
 マイレナは呆然とする。
だって・・・こんな早く起きたのに、先に起きている人がこんなにも多いのだから!!

 ・・・それもそのはず、マイレナの起床の“早い時間”とは、村人にとってはたかが知れた時刻なのであった。





 ・・・儀式が、始まる——。