二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ドラゴンクエスト—Original— 漆黒の姫騎士 ( No.99 )
- 日時: 2011/03/28 19:13
- 名前: Chess ◆JftNf0xVME (ID: fckezDFm)
枯葉が舞う。闇色の霧とともに、竜巻となって空に吸い込まれていった。
・・・ダーマ神殿前。
魔物の巣窟と化した、神殿。
「すげー・・・」マイレナの感想が、これである。「[神]殿、っていうけどさ、正直これ、[魔]神殿だよね」
「つかここ、魔物の転職場所? ・・・よね・・・人間が来るべきところじゃないわ・・・」
「じゃあオレらは何だって言うんだよ」ティルスが突っ込む。
「・・・あんたの物言い、いぃちいちムカつくわねぇ・・・」
口元をヒクつかせて睨みあう二人を置いておいて、リーシアは神殿の階段を上り始める。
マイレナも続いた。
中の魔物の数は半端なものではなかった。遠慮容赦なく襲ってくる魔物を、
すぱりと切ってゆくのはやはりリーシアだ。だが。
「・・・あれ? リーシャ、いつの間に剣なんか」
「・・・さっきから腰に吊ってただろ」
「じゃなくて、いつの間に剣なんか使えるようになったの? いっつもツメ攻撃なのに」
リーシアは自分の右手を見、あぁ、と答える。右手には一応爪は装着してはある。だから、剣は左手で持っている。
「・・・わたしは元から剣は扱えるよ。こっちの方が得意だ。
この剣だって、[こっち]のポスタミアに売られていたし」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
えぇどうせ私は金スッカラカンで買えませんでしたよと、マイレナは勝手に膨れる。
「? ——おっと、危ない。・・・ところで」
杖を振り上げ攻撃してきた魔物を薙ぎ払い、飛び散った血に顔をしかめつつ、リーシアは三人に話しかける。
「静寂の玉、ありそうなところを探して行こう」
「んじゃ、ついて来いよ」
ティルス、先頭に立ち歩き始める。
「・・・はい?」
「こっちだ」
「・・・・・・・根拠は?」
マイレナの質問に、ティルスはいたずらそうに笑うと、一気に答えた。
「ハナ。俺は盗賊だぜ? 宝のあるところってのは、たいてい守りが固いものだ。ついでにオレの得意技。
一般的に“お宝さがし”とか呼ばれてる、特技の一つだ」
「・・・・・・とりあえず最後のだけ信じよう」
ティルスの指示通りに散策しつつ、魔物に相対する四人。
・・・そして、確かにあった。妙に魔物たちがひしめき合っている場所が。
「あそこかな?」レイサ。「どう、ティルス」
「あぁ・・・反応してる。間違いない、あそこのうちのどれかだ」
「・・・・・・どれか?」
リーシアが中途半端な物言いに問い返す。
「オレのこの特技が間違っていなければ・・・宝箱は、四つある」
「・・・その内のどれか、ってこと?」
「まぁ。・・・気を付けるべきなのが、どれもハズレだって場合と、トラップ・・・
つまり魔物が出てくる可能性がある、ってところだな」
「んな物騒なっ」マイレナ、抗議。
とりあえず、魔物の集団にじりじり近付く四人。できれば、あまり魔物と関わらずに事を進めたかったが・・・
当然、そんなことは叶わない。
何十個ものさまざまな色の瞳が光り・・・魔物たちも久々の獲物を狙い、じりじりと寄ってくる。
「・・・戦うっきゃ、ないわよね・・・また集団か」
「また私の出番ないんだ・・・」マイレナが苦笑すると、リーシアがぱしっ、とマイレナの肩をつかむ。
「・・・へっ?」
「ならマイ、わたしたちがこいつらを引き付けている間に、静寂の玉を探してくれ。——頼んだよ」
「・・・えっ!? ちょまっ、・・・おーい・・・」
マイレナ以外三人、魔物どもに対抗。
リーシアとティルスは片っ端から殴りこんでいるし、レイサも 火炎呪文_メラミ_ をぶち込んでいるしで、
確かにもう声がかけられる状況ではないのだが、
・・・どうせ個人戦なら私も混ぜてくれればいーのに、とか思ってしまう。
ともかく、マイレナは、四つの宝箱を前に、一人悩み始めた。