二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ 【薔薇の倉庫】 ( No.656 )
日時: 2011/04/09 16:33
名前: 薔薇結晶 (ID: fTO0suYI)
参照: 栄光へのエール!が聴きたい!海外組4人で選手宣誓!!

『眼〜eyes〜』

——H——




「…≪レイピア≫…!」



ブオンッ、と言う音の後に、無数のレイピアが【プルトーン・ルシファー】を襲った。
ジュリアが叫ぶ。

「全員戦闘態勢へ移行!攻撃準備!!」

物陰から全員が飛び出す。
そして魔力を練る。

ゴオオォォォ、と雄叫びを上げる【プルトーン・ルシファー】。
その姿はまさに悪魔だった。
心臓部分には弱点のクリスタル。蝙蝠のような形の紫の羽。紅く光る鋭い眼。真っ黒な胴体。


「フィディオ!エドガー!!先手よ!!」

「≪ホーリーランス≫!!」
「≪軍神の巨剣≫!!」

エドガーとフィディオが先手攻撃を仕掛ける。
その間にジュリアは【プルトーン・ルシファー】の真下に魔法陣を展開。
一歩飛びのいて、≪ショートカット≫の小さめの魔法陣を開き、真っ白なヴァイオリンを取り出す。
そして2本の剣も。

「フィディオ、エドガー!貴方達の『聖剣』を出したわ!!使いなさいっ!!」

指示が耳に入ると後ろに下がった。
ジュリアは間髪入れずに次の指示を出す。

「サクラ!マーク!!遠距離から攻撃魔法!!」

「≪フローラルブレード≫!!」
「≪突風ノ不死鳥≫!!」

花弁と不死鳥が【プルトーン・ルシファー】との距離を縮めていく。
だが、【プルトーン・ルシファー】は空高く舞い上がった。

「追いかけなさい!!」
「申し訳ないですけど私のは無理です!!」
「俺がやる!!借りるぞサクラ!!」

不死鳥は花びらを纏いながら分裂した。
そして分裂した風はまた新たな形を生み出した。

「≪竜巻ノ小鳥≫!!」

その間にジュリアはヴァイオリンを構える。
眼で【プルトーン・ルシファー】を追いかけながら、弦を弾いた。

戦場に音楽が流れた。


——≪流氷のエチュード≫!!


そして、先ほど展開した魔法陣から旋律が出現した。
氷の音符は徐々に加速して【プルトーン・ルシファー】を追う。
≪竜巻ノ小鳥≫と≪流氷のエチュード≫に挟まれた【プルトーン・ルシファー】はついに魔力を使う。

「そろそろスキルが発動するかな…」

フィディオが呟いた。
サクラが問う。

「スキル?」
「各モンスターにはスキルと言う魔族とはまた違った能力があるんですよ」

エドガーが説明する。
続いてフィディオが【プルトーン・ルシファー】のスキルを説明する。

「【プルトーン・ルシファー】の特殊スキル“暗黒の渦(ブラックホール)”。まぁ…此処に生息するモンスターのスキルは大体“暗黒の渦”だけど」
「“暗黒の渦”は…相手の魔法を吸収して、己の魔力に継ぎ足すんですよ」

「えぇ!?」


シュオォォォ、と音がその場に響いた。

「何だ…!?」
「まずいわ、“暗黒の渦”ね」
「“暗黒の渦”?」
「魔法を吸収して自分自身の魔力にしてしまう特殊スキルよ」
「なっ…!!」

「ただし…」
「?」
「アレは3種類以上は吸収できないの」
「つまり…風と植物と水と氷で…」
「そう言う事ね」

「全員で≪融合魔法≫をぶつければ、“暗黒の渦”は打破できる」