二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナイレ 【薔薇の倉庫】 ( No.673 )
- 日時: 2011/04/18 18:52
- 名前: 薔薇結晶 (ID: xurEHj3I)
- 参照: http://blogs.yahoo.co.jp/gran_fenrir/3077494.html
『眼〜eyes〜』
——M——
ばさっ、と【エンジェルウォリアー】の翼の音が響き、魔法を発動…
したはずだった。
「え…?」
サクラが零す。【エンジェルウォリアー】が動作を停止したのだ。
何故だろう、と上を見上げた。
其処に居たのは、≪翠≫。
左手を【エンジェルウォリアー】の前に翳し、悠然と立っていた。
≪蒼≫の3人は絶句した。
「まっ…まさか……アレは…!!」
「嘘だろ…5年間出現しなかったスキルだぞ…!」
「PPスキル…」
上からエドガー、フィディオ、ジュリアである。
静かに“薔薇の女王”のPPスキラーは口を開けた。
「“魔物使い(モンスター・テイカー)”…!!」
「…来い、俺はお前の敵じゃない」
マークはそう言って【エンジェルウォリアー】を腕の中に納める。
だが、今の彼の眼はいつもの≪翠≫ではなかった。
少し≪金≫のような輝きを持ち、また違ったオーラを放っていた。
「…確かに開花していないとは言っていたけど、まさか“魔物使い”だとはね。…ホント、恵まれてるわよね」
ジュリアはフィディオに『ブルーフェニックスの羽』を手渡す。
くるっと身を翻し、彼女は移動魔法陣を展開した。
恐らく≪氷柱の薔薇園≫につながっているのだろう。
「あとは調合するだけなんでしょう?だったら私は居なくていいわよね。…帰らせてもらうわ」
魔法陣の中に飛び込んで、しゅん、と言う音を立て彼女は帰った。
「何でだろ…、今日何か来客でも居たか?」
「えぇ、2人ですね」
「そうだったっけ…」
「そうなんです。…調合は6層目でやりましょう」
「じゃぁ移動魔法陣しますね〜!」
「≪ショートカット・シックス≫!」
場所は変わって4層目の≪氷柱の薔薇園≫。
ジュリアの塒である。
「お待たせ…したかしら」
「…いや、別に」
其処に居たのは蒼い眼の少女。
もう1人、金と銀のオッドアイの少女。
「まず遅れていても何か言える立場じゃないし」
「…良く分かってるじゃない」
「黒い黒い!ジュリア黒いって!!」
「とりあえず…ようこそ。火檻さん、カノン」
「招待してくれた事、感謝する」
「私も同じく」
「…何となく似てるわよね、貴女達って」
「「…そう?」」
「……。」
仕切りなおして。
「情報、何かあるかしら。あれば≪金眼≫の情報が聞きたいわねぇ…」
「残念ながら、≪金眼≫の情報は無い。だが…12層目でPPスキラーを数名発見した」
「あら本当?カノン。ぜひ聞かせてほしいわ。…いくらかしら?」
「ふぅ…情報屋としてのルールは、1名につき1000ミツァだ」
※ミツァ…≪ヴィレネイズ≫での通貨。
「そう…、中々値が張るのね。まぁ私には問題ないから、全員聞かせて頂戴」
「分かった。まず1人目。舞姫—maihime—は、未だかつて発見されていないPPスキルだ」
「あら…記録が無いの?……火檻さん、ヘッドフォンを外して」
肩を叩いて火檻にヘッドフォンを外させる。
「ん…、PPスキル名“未来予知(フューチャリング・シーイング)”。その名の通り、未来が見えるらしい」
「だけど舞姫は光が使えない」
「…光が使えないのは、代償として考えた方が良いわね」
上から火檻、カノン、ジュリアである。
確かに、PPスキルについての知識が相当あるジュリアでも“未来予知”は聞いた事がないようだ。
「次は…、虹彩—koiro—。これはこれまでにも一応発見はされてるけど物凄く珍しい」
眠そうな表情で火檻が言う。
ジュリアは結構な興味を示す。
「…“弱点探し(ポイントスキャナー)”。モンスターの弱点が一発で視える、らしい」
「戦闘に便利なPPスキルじゃない。次は?」