二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナイレ 【薔薇の倉庫】 ( No.755 )
- 日時: 2011/06/01 17:17
- 名前: 薔薇結晶 (ID: QRCk5boE)
- 参照: http://bluerosebreak.blog.fc2.com/
『眼〜eyes〜』
——AA——
「…此処は…?」
「目は覚めたかしら?」
「っ!?」
眼の前に居るのは“薔薇の女王”ジュリア。
ベットで寝ていて、今起きたのがサクラだ。
「…魔力が…」
「戻してあげたわ。感謝なさい」
意味が分からない。
彼女はサクラを魔力の糧にすると本人の前で宣言したと言うのに。
魔力を戻したなどと。
「どういう事…?」
「…孰れ教えなければいけないから、今のうちに教えておくわ」
「サクラ、貴女≪金眼≫に会ってみたいと思った事は?」
と、いきなり≪金眼≫の話を始めたのだ。
サクラは「そりゃあるけど」と答える。
「…もしかすると、会えるかもしれないわよ」
「……はぁッ!?」
「だから、≪金眼≫に会えるかもしれないの」
「≪金眼≫に…、≪ヴィレネイズ≫の最高権力者に…!?」
「そうなの。だから、貴女の力が必要なの」
荒い真似をして悪かったわね、と言う。
そして次の発言をしたのはサクラだった。
「…此処、何処?」
「知りたい?」
「教えてよ」
「外に出ればわかるけど、気をつけなさい」
そう言われて、ベッドから降りる。
扉に手をかけて、開ける。
そして急に閉じる。
「…っびっくりしたぁ!!」
「ふふふ…何処か分かったかしら」
「2層目だよね!?此処ッ!!」
「【ヴェルファリア・ネプチューン】が居たから分かったのかしら?」
「いやいや、此処≪銀河の迷路≫じゃん!!」
「えぇ。家を建てさせてもらったわ」
「家…ッ!?」
ポカン、と口を開ける。
ジュリアが急に魔法陣を展開する。
「何を…?」
「…先に教えておくわ。私はすでに≪蒼≫じゃない」
「え…今…何て…!?」
「私はすでに≪蒼≫じゃない。≪追放魔族≫よ」
≪追放魔族≫。つまり≪蒼≫を抜けた、という事だ。
ジュリアの場合は自主的に抜けたらしい。
「何で…!?」
「同じ魔族だったら行動が把握できるから」
エドガーとフィディオを警戒していると言うのか、彼女は。
あれだけ共に戦った仲間を、警戒している。
「何で…私を選んだの」
「正直に言わせてもらうわ。エドガーもフィディオも、剣術は素晴らしいと思ってる。でも魔法に関してはクズなの」
「………」
「戦力外」
「………」
「マークのPPスキルも中々いいけど、開花したばかりでしっかりと根を張っていないの。それに風は別に絶対に必要な物じゃないし」
「………」
「とにかく、マークも戦力外」
「…別に私じゃなくても…、貴女だって「ジュリアでいいわ」…ジュリアだって薔薇が使えるんだから、≪緑≫の私を…」
「選ぶ必要はないんじゃないかと?」
「うん」
「貴女は今まで私が戦った魔族の中ではトップクラスよ。中々さっきの戦闘も楽しめたし」
「………」
「まぁ…まだ手合わせをしていない強豪も居るでしょうけど」
とりあえず、貴女を選んだ理由は分かったかしら?とジュリアが問う。
サクラは頷く。
「じゃぁ…まずは特訓ね。表に出なさい」
「あ、うん」
よく見ると、ジュリアの服装が普段とあまりにも違う。
≪蒼≫を抜けたと言うのは本当らしい。
表に出ると、【ヴェルファリア・ネプチューン】が2体いる。
向こうも、此方に気づいたらしい。
「ちょっ、ばれてるよ!?」
「…見てなさい、サクラ」
「え…?」
そう言って【ヴェルファリア・ネプチューン】に近づくジュリア。
状況的にはかなり危ない。
【ヴェルファリア・ネプチューン】はランクSS。【プルトーン・ルシファー】と同じランクだ。
この間、一撃を浴びてボロボロになったところだと言うのに。
ジュリアは至って冷静に魔法陣を展開、『レイニー・ブラスター』を取り出す。
そして一気に【ヴェルファリア・ネプチューン】との距離を詰める。
一振り、聖剣を振る。
それだけで、【ヴェルファリア・ネプチューン】は2体とも倒れた。
「えっ…何が…!?」
「見えなかったの?」
「う、うん」
「何をしているのが見えた?」
「剣を縦にずぱっと切ったところは見えた」
「…はぁ」
「貴女にはまだまだ修行が必要ね、サクラ」