二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ 【薔薇の倉庫】 ( No.757 )
日時: 2011/06/07 20:42
名前: 薔薇結晶 (ID: T6gVpJcF)

『眼〜eyes〜』

——AC——







「ジュリア、どうする?」
「お先にどうぞ」
「え、無理無理、マジで無理」
「じゃぁ、先に行かせてもらうわよ」

そう言って魔法陣から『レイニー・ブラスター』を取り出す。


「アンタからか。≪蒼≫…いや、≪追放魔族≫のジュリア」
「…情報が早いわね。誰を雇ってるの」
「シークレット。アンタにも凄腕がついてるんだろ?2人も」
「えぇ」

構える。
ジュリアは両手で『レイニー・ブラスター』、未来は『神楽姫』。

「あら、“二刀流”。貴女は2本の刀で戦うんじゃなかったのかしら?」
「アンタの実力次第で『夜叉姫』も抜くよ」
「…そう。それを言った事、後悔させてあげるわ。サクラ、合図を」

サクラがコクリと頷く。右手を掲げて


「始めッ!!」

「んじゃぁ、アンタの実力、見せてもらおうかッ!!」

そう言って突っ込んでくる未来。
ジュリアはピクリと眉を動かした。

「≪寝待月≫!」

36回の突き技が繰り出される。
ジュリアは36回あるうちの5回目で完全に捌き切った。

「≪新月≫ッ!!」

円を描き、衝撃波で突く技。
それを真っ二つに分けるジュリア。衝撃波はサクラの方向に飛んで行くが、上に避ける。

「≪下弦の月≫!!」

この突き技は下、つまり足元を狙うもの。
さすがにステップだけでは避け切れないようで、ジュリアも空中へ。
そして、“薔薇の女王”、反撃開始。

「≪スプラッシュ・ブレイディ≫!!」

『レイニー・ブラスター』から水飛沫が上がり、刃と化す。
だが、未来はそれを『神楽姫』1本で全て切り捨てた。

「≪瞬きの並列閃光(フラッシング・レイ)≫!!」

≪白≫の属性、光の魔法。
ジュリアの眼を封じようとしたのだろう。だが、彼女の眼は。彼女の右眼は。

「≪堕落の鴉(ダークネス・レイヴン)≫!!」

≪黒≫の眼だ。
“薔薇の女王”は此処で攻撃をやめない。

「≪ウンディーネ・ブラスト≫ッ!!」

<<ドオォォオォンッ>>


「…チッ、やたらと傷が増えたな」
「だから言ったじゃない。後悔させてあげる、って」
「…少しばかり嘗めてたみたいだな」

そしてスクッと立ち上がり、『夜叉姫』を抜いた。

「こっからは本気で行かせてもらう。“二刀流”、篤と見せてやるよ」

『夜叉姫』が閃いた。
それは面白そうだわ、とジュリアも呟く。

「≪崩壊の紅焔≫ッッ!!!」

黒い魔法陣が未来の足元に敷かれる。
そして炎が燃え上がる。

はずだった。


「何ですって…!?」

「嘘…、考えられない…!!」
「未来さんってこんな人なんですよ」

魔法陣が消えていく。
黒の魔法陣は一瞬にして無に還った。

「魔法陣を…切り裂いた…」
「見えなかったか?」
「…『神楽姫』の軌道は見えたわ」
「『夜叉姫』が見えなかったと。…だったら」

お前に勝ち目はないな、とそっけなく言ってジュリアとの距離を詰める。
どうしかしらね、と簡素に返してジュリアは魔法陣を展開する。
真ん中に薔薇の模様。“薔薇の女王”だ。

「≪薔薇の幕(ローズ・カーテン)≫!!」

緋色の薔薇の花が舞う。
それも簡単に切り裂いて、未来はジュリアを狙った。が。

「≪荊の針(ソーイング・ソーン)≫ッッ!!」

無数の針が未来を襲った。
パキンパキンと折れる音が無数に響く。が。

「…」
「8本、って所かしら?」

8本、腕に刺さった。
かなり細い針なので、あまり痛みは無いのだが。

「まぁ約5万あった針をそれまで弾き返せたらSSSクラスの剣豪ね。」
「そうかい、そりゃどうも」

「何とまぁ!ジュリアったら5万本も出したんだ!?」
「じゃぁ…未来さんに刺さったのは6250分の1…4万9992本も弾いた…!?」

「でも…」
「ん?何だ?」

「≪荊の針≫は刺さったら終わりなのよ」

パチンッ、と指が鳴った。
すると、未来に刺さった針を中心に魔法陣が展開された。

「ぐっ…!?」
「其処から、荊が生えてくるの」
「…ハッ、こんくらいなら…っ!!」

パンッ
と、針が急に割れた。

「…剣士なら内側から斬れる」
「なるほど、いい勉強になったわ」



「続けるぞ」
「当然よ」