二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナイレ 【薔薇の倉庫】 ( No.760 )
- 日時: 2011/06/25 22:30
- 名前: 薔薇結晶 (ID: ESJvCUA5)
『眼〜eyes〜』
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<<ドサッ>>
「……!!」
サクラが信じられない、と言う眼で見ている。
その状況を。
「…何てザマ。それでもSSSランクなのか?」
見下ろしているのは未来。見下ろされているのはジュリア。
ジュリアはとある色で染まっていた。其の色は紛れも無く紅。血液だ。
そして、ジュリアの周りに金属片が散らばっている。それは『レイニー・ブラスター』の破片だった。
「…日奈乃、手当してやって。多分瀕死状態に限りなく近い」
「やりすぎですよ、未来さん」
「本気で向かってくる奴は本気で迎え撃たないと失礼だろ?」
「まぁ…そうですけどね」
そう言ってジュリアの両眼を両手で覆い隠す日奈乃。
白と其処まで変わらないくらいの薄い紫の魔法陣。
“治癒”の魔法陣だ。
「≪天使の加護・完全治癒(パーフェクトヒールド)≫」
すると、血液が消え、ジュリアの眼が薄ら開かれる。
日奈乃は『レイニー・ブラスター』の金属片にも同じ治療を施し、ジュリアの聖剣は元に戻った。
何が起こったのか、本人も良く分かっていない。
否、この場で状況が全て分かっている魔族は1人、未来しかいない。
「…、負けたのね。私」
「ジュリア、大丈夫?」
「えぇ」
「…(あれだけボロボロだったジュリアが傷1つ無いし、聖剣も元通り。“治癒”も相当な実力者って事だね…)」
未来が切り出した。
「…今日は引き取ってもらえるか?」
「何でまた」
「馬鹿姉貴と魔物狩りに行くから」
「何層目に?」
ジュリアが聞く。
この間は4層目に行っていた。今回も4層目か、それ以下の層か、もしくは…
「…2層目」
「の、何処?」
「≪無重力の惑星世界(パワーナッシング・フィールド)≫」
「結構なダンジョンに挑戦するのね」
「…あと、気になる事もあるんだ」
「気になる事?」
そんな所で気になるのってモンスターくらいでしょ?とサクラが聞く。
未来はその問いに首を振った。真横に。
「一体何が気になるの」
「…どうやら、番人のような≪銀≫が居るらしい」
「≪銀≫が番人を?」
「輝羅に聞いた話だがな」
「…輝羅って…“宝石魔女(ジュエリーズ・ウィッチ)”?」
≪知識の宝庫(インテリゲンチア)≫のトップクラスの彼女?とジュリアが聞く。
良く知ってるな、と未来が頷く。
すると、裏から1人、女が出てきた。
「たっだいま未来ッ!」
「出た、馬鹿姉貴」
「いきなりひどくない!?」
ぶーぶーと文句を言っているのは“狙撃手”過去。
先程の「ただいま」からして、何処かに出かけていたらしい。
「…って事で、お引き取り願おうか」
「で、これからどうすんの?」
「そうねェ…、別にする事もないけど」
「ふ〜ん…。じゃぁレベル上げでも行きますかァ!」
「今貴女いくつ?」
ん〜、と言いながら魔法陣を開いていくと≪12674≫と言う数字が浮かび上がる。
「…らしい」
「そう。…そろそろ私に並びそうね」
と言うジュリアは≪12999≫。
≪ヴィレネイズ≫でのレベルは本当に無限まである。それなりに行けば1億だの1兆だの1京だの、いくらでもいける。
だが、14歳で1万を超える魔族はそういない。
普通、1万に達成するのは、未来や過去くらいの年だ。
「レベル上げは≪銀河の迷路≫でやる?」
「そうね。それが効率的にはいいわ」
「そう言えば、マーク達どれくらいになってるかなぁ?」
と言ってぶわっと魔法陣を開き始める。
≪翠≫のファイルでマークの頭文字、Mを記入。
すると、≪6782≫の数字が出てきた。
「まだまだねぇ…」
とジュリアが呟く。どうやらフィディオとエドガーのレベルを見て、うんざりしたらしい。一瞬で閉じた。
「…サクラ、行くわよ」
「……………」
「…サクラ?」
「もしかして…番人ってこの子かも」
と言ってサクラは魔法陣をジュリアの方に向ける。
≪銀≫、そしてレベルは
「嘘でしょ…≪36713≫!?」
「きっとこの子だよ!このレベルなら…!!…ぁ…まさか番人って…!?」
「きっと『シークレットウェポン』と『シークレットアイテム』の番人でしょうね…」
≪銀≫の少年のデータを開いたまま、愕然とする2人であった。
少年の名は、天馬—tenma—。