二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナイレ 【薔薇の倉庫】 ( No.821 )
- 日時: 2011/09/17 22:16
- 名前: 薔薇結晶 (ID: yxDSzo5A)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
『眼〜eyes〜』
——AR——
「≪濁流のマーチ≫」
真っ白なヴァイオリンがテンポの良い音を奏でる。
だがそれと裏腹に、魔族の叫び声が聞こえてくる。
「…今ので何人脱落(デリート)した?」
「25人くらい…かな」
「そう、上々ね」
ゲージが3本以下の者が一斉に消えていく。
ジュリアとサクラは着々と『魔族狩り』を遂行していた。
「…居たわ、≪秘密の番人(シークレット・キーパー)≫」
「よくも俺の仲間を消してくれましたね…!!」
「消したわ。だってそれが私達の使命だもの」
「…そんな使命はいらない」
「≪金眼≫に逆らう気かしら。そうよね、貴方の副業、革命家だものね」
「松風天馬!」
≪銀≫の少年、松風天馬。
彼は≪銀≫の中でも特殊な≪地球(ジ・アース)≫の魔力を持つ少年で、かなりの魔力を誇る。
『ダイヤモンド・ゲージ』は7本。
「(…キャプテン達と合流しないといけないのに…!!)」
よりによって眼の前に居るのが、刺客2名。
連絡魔法陣を広げ、キャプテン事神童拓人に繋げて、一言だけ。
「キャプテン、俺ちょっと遅れます」
「…ちょっとで済めばいいね、天馬君?」
「まぁ遅れるどころか彼らの元へすら行かせてあげないから、覚悟なさい」
「「≪死の遊戯の開幕(デスゲーム・スタート)≫!!」」
松風天馬VSジュリア・クラウン&サクラ・カーライト
Tenma matsukaze
(━━━━━━━━━━)×7
Julia crown
(━━━━━━━━━━)×8
Sakura kerlight
(━━━━━━━━━━)×8
「…此処か…?」
≪ヴィレネイズ≫の形が根本的に変形してしまったため、元々10層目だった場所が分からず、その辺りを虱潰しに探索する。
フィディオとエドガー、マークとディランだ。
「全くだな…、しかも≪ヴィレネイズ≫全体が≪ノーミグラトリー・エリア≫になってる」
「不便だねぇ」
「元々10層目だった場所ならこっから5㎞くらい先だぜ」
と、上から声が聞こえた。
4人が一斉にその方向を向いた。
「≪紅≫か…!」
「見た事あるぞ、あいつ」
「私もです」
「ミーも知ってるよ。“永久鉄壁(アイアン・ウォール)”、テレス・トルーエだね」
テレスは、先ほどまで座っていた崖の上から飛び降りて、4人の前に豪快な音を立てて着地した。
片手にはハンマーのようなものを持っている。
「10層目だったあの場所に、何の為に向かう」
「菊凪玲子に会う為だ」
「あぁ…知ってるぜ、“亞瑠架那”だな。あと…多分咲夜梓美もそうだと思うぜ」
「さきよい?」
マーク他2名が首を傾げる。聞いた事もない名前の様だ。
だが、≪知識の宝庫≫であるディランは当然の様に知っている。
「“人形操り”か…。裏ではかなり名を挙げてる魔族でね」
「破壊力は普通じゃない。ありゃ怪物だ」
「“人形操り”が候補に出たら“弱点探し”も外せないね。コイロ・シーウェル」
ディランがやれやれと言う表情で虹彩の名も出した。
フィディオがその名前に反応する。
「コイロ?」
「そうさ。≪知識の宝庫≫ではPPスキルのダブルスキラーだって言う情報もあるよ」
「ダブルスキラー?」
「PPスキルが2つある魔族の事さ。とんでもないスキルらしいけど」
「あぁ…途轍もなくとんでもなく強力なスキルを持ってる」
フィディオが、ディランの言葉、情報を肯定する。
「知ってるのかい?3000ミツァでその情報買い取るよ?」
「いや、教える。ミツァなんていらない」
「で…どんなスキルだ?」
「“虹桜女神(ブロッサム・ヴィーナス)”だ」
「ッ!?フィディオ、それは本当かい!!?」
「あぁ…眼の前で見たんだ」
「ディラン…何でそんなに驚いてるんだ…?」
ディランがそれを聞いて逆に驚く。
フィディオ以外が知らないのを察して、事細かにその事を話した。
「“虹桜女神”って言うのは…、遺伝とか…生まれつきとかで身に着くスキルじゃないんだ。≪虹桜≫って言う聖樹に選ばれた魔族しか得られないスキルで…通称“伝説の神業(ゴッドスキル)”の1つなんだよ。しかも≪ヴィレネイズ≫の数億の魔族の中でたった1人しか得られない。そしてその魔族が死んでからじゃないと、他の魔族は選ばれても使えない状況下に置かれる。ややこしいスキルだよ」
「で…聖樹は…≪虹桜≫だけなのか?」
「まさか。君達の知ってるジュリア・クラウンだって聖樹≪不可能の蒼薔薇の木(ブルー・ウッドローズ)≫の……“伝説の神業”のダブルスキラーじゃないか」
「「「「………?」」」」
「まさか…知らなかったのかい?」
一同、同時に頷く。
ディランは苦笑いしかできない。
「…じゃあ…ジュリアの…ジュリア自身のPPスキルは…?」
「さぁね。でも“薔薇の女王”は聖樹の“伝説の神業”である事は確かだよ」
「警戒してるのは“薔薇の女王”だけでいいのォ…?馬鹿だよねぇ…」
と後ろから聞こえてくる陽気だが妖しい声。
後ろを振り返ると、薄い黄緑の髪、黄色と黒のオッドアイ。
「ユーは…エミリア・インシグニア…!!」
「ご名答♪」
エミリアはニヤリと笑うと、次の瞬間。
<<ゴッ…>>
鈍い音がした。
エミリアは一瞬でディランの前に詰め寄り、高い位置の蹴りをかましていた。
ディランも同じような体勢になっている。
「私の事、何処まで知ってる?≪知識の宝庫≫」
「ミーの仲間を2人襲ったのと、“二刀流”と“狙撃手”を襲った事。あと聖樹≪月狂樹≫に選ばれた魔族だって事は知ってるよ」
「あぁ…≪月狂樹≫の事知ってるんだぁ、」
「甞めて欲しくないね」
エミリアは一歩下がると、5人に向けて、こう言い放った。
「玲子の所には行かせない。とりあえず私が相手になってあげる」