二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ 【薔薇の倉庫】 ( No.829 )
日時: 2011/09/21 11:57
名前: 薔薇結晶 (ID: EdkNSjYc)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

『眼〜eyes〜』

——AT——









「≪風塵砂塵(サンド・ウィンド)≫ッッ!!!」

風に乗って砂が舞う。
ジュリアとサクラの視界を奪う。

「私達の視界を奪って何になるのよ。サクラッ」

「≪桜縛り(ブロッサム・チェーン)≫ッ」


薄紅の桜の樹が天馬を縛り上げる。
≪風塵砂塵≫は使い手が行動不能になったためどんどん牽いていく。

「く…ッ!!」
「残念。眼晦まし何ぞ私達には効かないわ」
「ジュリア、どうするの?」
「そうね…此処でゲージを5本くらい奪っといてあげましょうか」

そう言うとジュリアは堕剣を右手に握り、天馬の右腕に突き刺した。
天馬の絶叫が響き渡る。

「良い声で啼くわね」
「ジュリアはこの世の誰よりもドSである事が発覚した ▼」
「サクラ、黙ってなさい」
「ごめんなさい」


——ヤバいなぁ…、こんな人達相手にしてたら本当に身が持たない…。≪魔神ペガサス≫出す冪なんだろうけど…。

—身体縛られてちゃキツイかな…

——……魔力結構減るけど、抜け出そう…!!


「≪樹木侵食・繋(チェイニング)≫!!」

シュウゥ、と音を立てて桜の樹が朽ちていく。
それに気が付いたサクラが魔法陣を展開。

「遣らせないよっ、≪開k「≪腐食連結(パラドックス・コネクトン)≫!!」

「サクラ!!今すぐ松風天馬から離れなさいッ!!!」
「えッ!?」
「早くっ…!!」

サクラはジュリアの言われた通りにその場を離れる。
だがジュリアは何故か松風天馬の方向に向かって走っている。
サクラは彼女の名を必死で呼ぶが、彼女は一切振り向かず、トップスピードで天馬の元へ駆け抜ける。

「うわッ…!!」
「サクラを樹にする気だったでしょう!?やらせないわッ!!」
「正確には違いますけどね!!」

ブシュウゥ、と、変な音がする。
ジュリアが天馬の手を見ると、その周辺の木々がどんどん腐っていく。

「ッ!?」
「樹にするだけじゃなくて、その上腐らせるんですよ!!」

<<ドッッ>>

「え…!?」

天馬の体が何かに縛られたような感覚になる。
何に縛られているか。

荊だった。

「こんな短時間で俺の体全身に荊を…!?」
「暫くはゲームにすら参加させない。…≪人喰い薔薇(イートニングマジック・ローズ)≫っ!」

グッっと手を握った。
天馬の体がぐったりと脱力する。

「ジュリア…今のって…」
「あの時私が貴女にしようとした魔力吸収の魔法。通称≪人喰い(イートニングマジック)≫。遣ろうと思えば誰でも習得出来るわ。」
「そうなんだ…、ってかこの子大丈夫?」
「ほっといたら仲間が来るわ。次、当たるわよ」







「≪雷帝剣≫!!」

バチバチッ、と音を立てて襲いかかる。
エミリアVSフィディオ、エドガー、マーク、ディラン、テレスの5人。

「チッ、やっぱ≪黄≫は厄介だぜ。身体能力が半端じゃねぇ」
「それから繰り出される電撃も面倒だ…」

「それだけなのォ?面白くないよね、本当に大した事ない!」

エミリアの『ダイヤモンド・ゲージ』は7本。
だがフィディオ達は平均5,5本。
相手が聖樹の“伝説の神業”のスキラーである事を考えたら、相当苦戦するに違いない。

「誰かさんは1本ゲージ減ったしね♪」
「大きなお世話ですよ…!」

先程エドガーのゲージが1本減ったところだ。
回復アイテムでゲージ1本回復したいところだが、それが出来ない。
1本完全に減ってしまったら、回復できないのだ。
それにエミリアは全くと言っていいほどダメージを受けていない。

「弱過ぎて“転身”を使うまでも無いよ。本当弱すぎ、つまんない」
「≪黄≫は武器使わない奴が多いから速いんだよな、鬱陶しい」
「貴方達≪紅≫は何かと和の文化に拘る上に、暑苦しい」

テレスの暴言に暴言で返すエミリア。
少々頭に来たようだ。

「言ってくれるじゃねェかッッ!!!」

刀をブンッと一振りするがヒョイと軽々かわされる。
そしてエミリアは空中から技を繰り出す。

「≪五月雨≫ッ!!」

≪黄≫の魔族伝統の拳法、雨野拳法。その中でも≪五月雨≫と言う手の技だ。
手刀を次々と繰り出し、相手に攻撃の隙すら与えない。それに破壊力も申し分ない。
だが欠点は、

「後ろががら空きなんだッッ!!」

マークが後ろから堕剣『キューディ・クレィ』を振り下ろす。
だが、エミリアは全くと言っていい程動じない。

「≪夕立≫っ」

一旦≪五月雨≫の攻撃を止めて、倒立の状態になり、其処からの回転蹴り。
『キューディ・クレィ』を弾き、マークを蹴り飛ばし、テレスも蹴り飛ばした。

「ぁ」

<<バキイィィイィンッッ>>

何かが盛大に折れる音がした。
エミリアは肘で何かに攻撃した体勢だ。
ぐらりと視界が歪み、誰かの姿が見えてくる。

「貴方…“透明”のPPスキラー!!」
「けど気配まで読まれるのは意外だったね」

ディランの攻撃も失敗。
“透明”のPPスキルの効果で消えていたのだが、エミリアに勘付かれたらしい。

「≪融解の噴水≫!」
「≪全壊の落雷(フルブレイク・サンダー)≫ッ!!」

全てを溶かす噴水も、成分を電離されては意味がない。
エドガーの攻撃も失敗となり、あと1人。

「≪軍神の巨剣≫!!」
「≪静放電気(サイレント・スパーク)≫!!」

<<バチバチバチイィッッ>>

最後のフィディオの攻撃も失敗に終わる。
エミリアの全方向への放電によってあらゆる方向へ飛んで行った5人。


「やべぇな、1本減っちまった」

「攻撃が全然通じない…!」

「…ミーのゲージ5本だったのに4本になってるねェ…」

「私では彼女との相性が悪過ぎる様だ…」

「兎に角…相手のゲージを減らさないと…!!」




「無理無理。まだ私に“転身”すら使わせてないのに倒すなんて無謀だよ〜?まぁ相手はしてあげるけど!」