二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ 【薔薇の倉庫】 ( No.838 )
日時: 2011/10/18 19:15
名前: 薔薇結晶 (ID: ZUrGQhyc)
参照: 今週中にルアンナの詳細をブログにうpします。

『眼〜eyes〜』

——AV——










「さぁて、と」

虹彩が怪しげにニヤリと哂う。
そしてパンパンッ、と手を払い、木の枝に乗る。

「掃除も済んだ事だし、アズと合流しようかしらね」
「うわぁ、とことん殺ったなお前」
「あら、アズ。そっちも終わった?」
「全員2本ずつ削って気絶させてきた」
「こちらも同じ状態。でも、何人か足りないわ。5人くらい」
「そうだな。豪炎寺修也が居ない。あとは…一之瀬一哉、土門飛鳥、木野秋…。≪闇堕の騎士団≫のメンバーだな」
「多分あっちのほうで刺客をまとめて始末しようって事ね。多分殆どの部隊は全滅だろうけど」
「だろうな。元3層目に行ったのは何つってもあの姉妹だ。容赦無いと思うぜ」


<<プワンッ>>

と、魔法陣で誰かがメッセージを送ってきた。
発信者は仙葉寺鈴蘭。どうやら発信者の数からみて刺客全員に一斉送信のようだ。

「〈≪ヴィレネイズ≫に≪アンディルス≫からの侵入者を発見。亜樹姫が犠牲になったが、彼女が死に際に侵入者達に『生命の金剛石』を入れた為ゲームに強制的な参加。なお、ゲージは皆8本前後〉」
「っつー事は亜樹姫は脱落、か」
「一応顔も特定してるみたい。今のところ10人よ」
「…ったく風羅も何やってんだか。姉貴に喧嘩吹っ掛けられてる様なもんだぜ?」
「彼女は四姉妹の中でも体が弱いのよ、対応してたら死んでしまうわ」

すたん、と木から飛び降りて、歩き始める。

「これから何処行くんだ?」
「そうね、玲子さんのアレの様子でも見に行くことにする?」
「よし、それで決定だ」

そして元10層目に向かうことになった2人は、方向転換し、また歩き始めた。

















そしてその頃、元10層目のとある廃墟。

—夢前、侵入者を見つけたわ—
「『女教皇=The high priestess=』、一体誰が?」
—貴女にも縁の有る人物よ…—

     「そう…、分かった。彼が来たのね」

そして、ある1つの塊に電流を流しこんだ。
すると大きなそれは、ギギギ、と鈍い音をたてて動き始めた。

「≪憑依(ポゼション)≫、『力=Strength=』」

タロットカードを頭上に放り投げると、タロットカードから女の霊の様なものが出てきた。

「『力=Strength=』、時間を稼いで。無理になったらカードに戻ってきてね」
—絶対…来させない…。貴女の…為に…!—
「ありがとう。でも絶対に死なないで」
—分かっ…た…!!—

玲子は大きな塊を右の手のひらで押す。いや、玲子ではない。
彼女はすでに、“亜瑠架那”のPPスキラー、夢前だった。
夢前とは玲子の魔法を使う時の人格。体術を使う時の彼女、そして通常の時の彼女が玲子だ。

「…来なければ、脱落させずに済むのに…何故来るの……南沢」

















「カノン、本当に誰か来るの?此処…」
「来る。…いや、来てる」
「……誰が」
「…誰だと思う?」

元8層目、≪紅≫の領域。
その中でも、危険な場所として名高かった火山のダンジョン、≪噴火の絶えない山(ファイアレス・マウンテン)≫の中。

「さぁ…それを私たちに聞かれても、」

「さっき報告が来た≪アンディルス≫からの侵入者、そのうちの2人だよ」




「美影ぇ、ここ風通し悪くな〜い?」
「此処は私達には不利過ぎますね、ルアンナさんに回しましょうか」
「いや、それよりあの双子ちゃんに回そ!絶対そのほうがいいよ、今度の経験にもなるし、何よりアリー返してほしい」
「アリーちゃんが眼当てなのね…」
「だってぇ〜!!アリー以上にいい策略家居ないじゃ〜んっ!!アビゲイルあんま役に立たない!!」
「わ、分かったわ…、双子ちゃんに回す…」


しばらくして、双子ちゃん事マリアとジャック、そしてアリーが来た。
そして先程の2人はアリーを連れて、別の刺客の所へ向かった。

「あぁ…成程、納得だね」
「確かに此処はサムと美影さんには不利過ぎる。風通し悪そうだし、何より灼熱洞窟じゃぁ…ねぇ」
「美影さんじゃ無理だね。お得意のアレが出せない」
「…まぁいいや。此処なら私達の方が戦えるのは事実。さっさと刺客倒そ」
「了解、僕の聖女様」
「その呼び方辞めよ?弟って感じしないよ」

そして2人はダンジョンの中に入っていった。















「蘭!」
「はい、何でしょう星夢さん」
「半径100m以内に魔族何人居るか探索(サーチ)してくれ」
「……大体、150人くらいですね」
「そうか…よし、全員脱落にしてやる。逃げとけ、5秒でいい」
「分かりました」

此方は元11層目付近に移動してきた星夢と鈴蘭組。
先程の星夢のセリフを聞いて、鈴蘭は空中に高く高く、跳んだ。

「≪電波掌底・感電≫、200万ボルトッッ!!!」

ダンッ、と、バチバチと電気を帯びた右の手のひらを地面に押し付けた。
すると周辺の地面は、星夢を中心として電流が広がっていく。
数秒後に、周辺から叫び声が聞こえた。

「…何人、脱落した?」

着地した鈴蘭に休む暇も与えず質問を投げかける。
鈴蘭は5秒ほど周りを見渡してから、こう答えた。

「半径500mに居た魔族600名ほどのうち、7名が生きてる」
「誰だよ、それ」
「…1人は≪アンディルス≫の住民みたい。1人刺客。あと、他の戦闘の邪魔しちゃいましたよ?」
「誰の」
「エミリア・インシグニア」







「……ちょっとぉ…、私割と雷寄りだからちょっとダメージあるんだからねぇ〜?星夢ぅ…」

全く、と呆れた顔でエミリアが吐き捨てる。
だが、それ以上のダメージを受けたのが彼女と戦闘を繰り広げていた5人。

「…ダメージ多そうだね?≪蒼≫と≪青≫のお2人さん?」










「…電流かァ…、面倒な≪黄≫が居るみたいだから、さっさと排除しに行こうかなァ…!」

真っ赤な髪を掻き上げて、とある女が動き始めた。
≪アンディルス≫でも指折りの魔族、“吸血女王(ヴァンパイア・クイーン)”事、ルアンナ・カーティスだった。