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Re: FINAL FANTASY 白黒の魔術師 ( No.10 )
日時: 2010/12/19 10:39
名前: MILKターボ ◆xyJ9iZcsj6 (ID: QP4Yy5Wh)

第三章 〜A transfer student 【転校生】〜

「転校生が、くるんだって」

「なーんだ、そんな事かよ」
と、ロス。 どうやら興味が無いようだ。 _それに対して、レーヴェは。
「マジッ!? 男、女!? 」
…かなり興味が有るようである。で、サラは。
「さあ、そんな事どうでもいいけど。 勉強、出来るのかな…。 張り合いがあるといいんだけど」
転校生の学力が気になるらしい。
_と、その時。
             ガラガラッ
と教室のドアが開いた。
「はーい、皆座ってー、そして静かにー」
と言ったのは、ペルソン王国立ロレッド村魔術学園ナンバーワンの人気を誇る美女先生。
このクラスの担任である。
「皆さんの知ってるとおり、今日は転校生が来ます。 _入ってきていいわよ」

_次の瞬間、教室中に女子(サラを除く)の声が響いた。特に、レーヴェは一段を大きな声で
「かあっこいいー!」
と叫んでいた。

教室に入ってきたのは、男子。
茶色の髪に、サラと同じ銀色の瞳。 
小さな声で、彼は自分の名を言った。
「…ガウスト、だ。」

ツンツン、と後ろの席に座っているロスがサラをつつく。
「何?」
「お前の兄弟か、あいつ?」
『銀色の瞳』というのが気になるらしい。
「…違うよ。大体、幼馴染なんだからそれぐらい知ってるでしょ?」
そりゃそうさ、とロスは言った。

「えーと、ガウスト君の席は_」
美女先生が辺りを見回すと。
「あ、せんせーい。 サラの隣の席が空いてまーす」
と、ロスの隣の席に座っているレーヴェは大声で言った。
美女先生はニッコリと微笑んで(これにはガウスト以外の男子全員がホクホク顔になった)言った。
「じゃあ、サラさんの隣に座って」
「…はい」
美女先生はガウストが席に座るのを見ると、
「授業を始めるわよー。 能力クラス順に、分かれて」
と言った。

魔術、といってもそれは大きく分けて二つの種類がある。
一つは、【白魔術】。 回復魔法と一部の補助魔法の二つを差す。
もう一つは、【黒魔術】。 攻撃魔法と一部の補助魔法の二つを差す。
魔術師の場合、絶対に白魔術と黒魔術のどちらかしか使えない。黒と白は、必ず交わることがないからである。

そして、この魔術学園では、勉強の授業と魔術や剣術の授業とでクラスが違う。
勉強の授業は学年別のクラス、魔術や剣術の授業では、【白魔術組】と【黒魔術組】、それから【剣術組】
に学年別で分かれる。【白魔術組】は白魔術で、【黒魔術組】は黒魔術が使える生徒のクラス。
剣術で入学した生徒たちは【剣術組】という風に分かれている。
それを【能力クラス】というのだ。ちなみにレーヴェは 黒魔術組で、サラは 白魔術組、ロスは 剣術組。

「ファイア!」
レーヴェは指先に意識を集中させ、呪文を唱えた。 するとその指先から小さな炎が放たれ、百メートルほど
先にある防火性の的に当たった。
「あらレーヴェ、今日は調子が良いのね?」
と、美女先生_彼女は黒魔術組の教師でもあるのだ_はレーヴェに声をかけた。
「はい!やっぱり人間、恋をすると変わりますよね!!」

_そして、自由時間。
「…で、どうだったの?」 「ガウスト君、強かった?」
二人の女子(前がレーヴェ、後ろがサラ)の質問にロスはヒラヒラと手を振って言った。
「それがさー、あいつ、強すぎ! あれで剣術始めたばかりなんて信じられないっつの!」
「…ていうことは、負けたんだ」
サラがそう言うとロスは
「認めたくないけど、当たり」
と面白くなさそうに言った。
「へー、そんなに強いんだ、ガウスト君」
実はロス、剣術では下手したら学園一、強いのである。そのロスに勝った、というのだから、ガウストの剣術の
腕は相当なもの_ということになる。
「ま、気にする事ないんじゃない? ロスは十分強いんだし、ガウスト君はロスより上、ってことでさ♪」
と、楽観的なレーヴェ。

「傷口に塩を塗りこむようなことを言うなァァ!!」

それまで机に顔を伏せていたロスが、ガバッと起き上がって叫んだ。
「はは…」
サラ、本日二度目の苦笑_。