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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: FINALFANTASY—オリジナル— 〜白黒の魔術師〜 ( No.118 )
- 日時: 2011/02/21 20:07
- 名前: MILKターボ ◆xyJ9iZcsj6 (ID: 9kDns1lV)
第五章 〜 Tears _latter part 【涙 _後編】
あたしのかつての名前を、少女は呼んだ。
「ルミ__」
あたしも、その幼馴染の名を呼ぶ。少女は__ルミは、
「リヴ!本当に_本当に、リヴなのね!!」
と、あたしに抱きつく。リヴなのね、と聞いておきながら、
「いままでどこに行っていたの!? あなたが居なくなってから十年。
わ、わたしはてっきり、リヴが死んじゃったと思って_」
ほろほろと、涙を流す。
「ルミ、」
何かを言おうとして、やめる。 _あたしは、泣いていた。ルミと、同じように。
右腕を、ルミの背中に回す。
「良かったよぉ、生きててぇ…」
唯一無二の、幼馴染の言葉を聞いて、ある考えが浮かぶ。
ホワイトテイル
この涙を流したのは、『リヴ』なのか、『白き尻尾』なのか?
…それが、分かった。
この涙を流したのは、『リヴ』だ。幼馴染を想い、泣いたのだから。
じゃあ___じゃあ、幻術師と対峙した時のあたしは、誰なんだ?
『リヴ』なのか、『白き尻尾』なのか。
(本当に、母さんや父さんを殺したからなの?)
そう思ったのは、『リヴ』という一人の人間なのか、『白き尻尾』という一人の狩人なのか。
_きっと、『リヴ』の方だろう。だってそれは、父母を殺された、一人の人間の思いなのだから。
あたしはまだ、人間を_『リヴ』、という感情を捨てきれていなかった。
(魔物の前では常に、“狩人”でいろ)
師匠の言葉が、よみがえる。 あたしは、半端だったんだ。
「まだまだだな、あたしも」
小さな小さな声で、でもはっきりと、[つぶやく]のでもなく、[言う]。
「え?」
サラとルミの、二人の声が重なる。
「さあ、サラ。 真実を、暴きましょう」
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