二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: FINAL FANTASY 白黒の魔術師 ( No.12 )
- 日時: 2010/12/19 19:13
- 名前: MILKターボ ◆xyJ9iZcsj6 (ID: QP4Yy5Wh)
第四章 〜A supplementary lesson 【補習授業】〜
夕日が教室に差し込む。ここで行われる補習は試験の点が悪かった者だけで行われるものだ。
「教科書百三十六ページ、開いて」
魔術には少し細かく分けると回復魔法、攻撃魔法、補助魔法の三種類がある。
回復魔法は傷を治したり、解毒したりなどする、【治療】の魔法。
攻撃魔法は回復魔法と逆で、相手を傷つける魔法である。
補助魔法は、上の二つのものに当てはまらなくてなおかつ、相手を補助する魔法。
そして、回復魔法と攻撃魔法の二つは相反する力。
同じ様に、白と黒も相反するモノ。
そこから、互いに【白魔術】と【黒魔術】の名がついたという。
「はい、次のページにいってー」
魔術の効果—回復魔法ならば治る程度、 攻撃魔法ならば威力を差す—は、その呪文によって変わる。
しかし、同じ呪文でも魔術師によっても魔術の効果は変わる。この効果が高ければ高いほど、
【強い】ということになるのである。
「これで補習授業を終わるわよ〜。 次の試験は頑張ってね、レーヴェさん」
たった一人だけで補習を受けたレーヴェは—つまり、レーヴェは一人だけ試験の点数が悪かったのだ—、
「はい…」
と、頼りなさげに返事をした。
「おまたせぇ、サラ」
レーヴェは、ため息をついた。
「おつかれ。 _大変だったね」
「ホントにさ! …あーあ、今日は早く寝よっと」
はは、とサラは笑った。
「笑い事じゃないよぅ、もう…」
その後レーヴェは、『そりゃ、サラは成績がいいから補習なんてした事ないだろうし、ず〜っと学年一位だっただろうからいいだろうけどさ、あたしはさ、ほぼ毎回補習なんだよ!?わかる?この大変さが!!そりゃ、あたしだってさ、毎回こうしたくてこうしてるわけじゃないんだよ!?そりゃ、サラは遅刻したことないしさ、それに…』と、愚痴をこぼし続けたのであった。
「…それじゃ」
「また明日」
サラはすっかり元気を無くしたレーヴェ(といっても明日になったら復活するだろうけど)と別れた。
「…あ」
サラは思わず立ち止まった。 それは、目の前にいた人物があまりに特殊な者だったからである。
「ガウスト君…」
そこに立っていたのは、ガウスト。
「_あ、もしかしてガウスト君も家がこの近くなの?」
サラは黙っているガウストに言うと、 ・ ・
「へー、でも、知らなかったなぁ。 引越してきた家族なんて、いたっけ」
と続けた。
「…違う。 ・ ・
—家族なんて…」
言いかけて、やめた。
「…いや、なんでもない。 気にしないでくれ」
サラは不思議そうな顔から一転、フッと笑うと、
「いいよ、言わなくても」
と言った。
「__ああ。 すまないな」
歩いていくうちに、サラの家に着いた。
「それじゃ、ガウスト君」
_また明日ね!
と、手を振るサラ。ガウストは会釈をすると、今来た道をさらに進んで行った。
「ただいま」
サラ、十三歳の秋。