二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FINALFANTASY—オリジナル—  〜白黒の魔術師〜 ( No.130 )
日時: 2011/03/12 16:53
名前: MILKターボ ◆xyJ9iZcsj6 (ID: R/M39rbJ)

第八章 〜Prohibited gramary 【禁術】

ふいに、左頬に痛みを感じた。
「痛っ…」
霧の中に見えた師匠の姿______は消え、代わりにビンタを決めたルミの姿が見える。

「ちょ、何してんの!?」
「何って、ビンタだけど」
「…んなこと、分かってるよっ!!!」
急に泣き言を言い出すルミ。
「だってさ、リヴさ、ぼーっとしてたからさ…」

でた。この幼馴染の癖。何かいい訳をするときに、語尾に『〜さ』を付けている。
ごめん、言い過ぎた__と謝ってから、考える。

_あたしは、白昼夢、っていうのを見てたのか?それとも、[思い出した]と言うべきか?

ま、それはともかく、サラがさっきの本を抱えて、

「あら、これを書いた張本人のおでましみたい」

ドアの傍に立っていたのは、白い髭をぼうぼうに伸ばした、老人____村長だ。
「おじいちゃん?」
ルミが、不思議そうな顔を(ルミはポーカーフェイスが苦手なのだ)した。
       、
「リヴ。わしらはお前さんに謝らなくてはならぬ」
村長は、語りだした。


数年前______。この村に、夫婦がいた。

夫婦の生活は貧しかったが、笑顔の絶えぬ、幸せそうな夫婦[だった]。

しかし、魔物に襲われ、妻が『子供の生まれぬ呪い』をかけられた時から、夫婦は変わった。
毎日書庫に通い、むさぼるように情報を探し始めた。
そしてある時村人達は——特に夫婦の父母は——夫婦を止めようとした。…理由は、簡単。
夫婦が、禁術に手を出そうとしたからである。

夫婦が行おうとしたのは、命を創る魔術。
その名を“アルデマルデ”と言い、現世の理に大きく反する魔術である。
夫婦は周りの反対を押し切って、アルデマルデを実行しようとした…が、
                        マジックポイント
理に反する魔術だけあって、それには大量の 魔術力 が必要で、
夫婦にはできない魔術であった。だが、それを可能にしたのは幻術師。

彼は夫婦に自分の魔術力を分け与えた………数年後夫婦が、この村に火を放ち、
己らの罪を償うことを、条件に。

そして、数年後______夫婦は条件を実行した。