二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FINALFANTASY—オリジナル—  〜白黒の魔術師〜 ( No.22 )
日時: 2010/12/27 17:13
名前: MILKターボ ◆xyJ9iZcsj6 (ID: QP4Yy5Wh)

第二章 〜There is nobody there 【誰もそこには存在しない】〜

こうして始まった五人の旅。  とりあえず五人は、ロレッド村の近くの村_トール村に行くことにした。

_トール村へようこそ!!   村の入り口に、そう書かれた看板があった。トール村は農業ではなく、
観光で栄える村で、観光客は村の中央にある大きな鏡_【異次元の鏡】を見るのが目当てである。

そんな、観光名所の村_。たくさんの人で賑うはずの村には、人っ子一人いなかった。
「ここ、本当にトール村なのか?」
と、ロス。
「ええ。 だってわたし達、地図通りに来たんだもの」
と、サラ。
「それに、看板にトール村って書いてあるじゃない」
と、レーヴェ。
「おかしいわ、ここ。 昨年、この村に来たんだけど_。 こんなに、寂れてなかったわ」
と、リア。
「それに、人の気配がまるでないな、ここ」
と、ガウスト_
「は!?お前、そんなの分かるのかよ」
に、おどろくロス。

「とりあえず_村人を、探そうよ」
サラの言葉に、リアも頷いて、
「私もその方が、いいと思うわ」
と賛同した。
—そして、一時間後。
「おかしいよ、おかしすぎる、この村。 本当に、誰もいないなんて!!」
レーヴェは四人に、ねえ、みんなもそう思うよね?と聞いた。
「誰も存在しない村なんて、聞いたことないけど_」
リアは、困惑ぎみ。

そして、サラは、ある物語のことを思い出していた。

〔むかし、むかし。 ある村に、力持ちの男がいました。
男は来る日も来る日も村人に暴力をふるっていました。
村人たちは、苦しんでいました。自ら命を絶った者も、大勢いました。
『どうか神様、あの男を懲らしめてやってください』
村人たちは祈りました。 もう自分達を救えるのは、神様しかいないと考えたのでしょう。
そして、ある日。  魔術師がここを尋ねてきました。 
『あなた達があの男に苦しんでいるのは知っています。  私は、あなた達を救済しに来ました』
魔術師はそういって村の中央に魔法陣をえがき、
『出でよ、異次元の鏡』 
と言いました。
すると魔法陣の上に大きな大きな鏡が出てきました。
『異次元の鏡よ、あの者を異次元に封印したまえ』
大きな大きな鏡は、男を吸い込みました。
それからというもの、村人達は幸せに暮らしましたとさ。 おしまい、おしまい。〕

『ねぇお父さん。 サラも、おっきな鏡、出せるかなぁ〜?』
幼いサラが言うと、銀色の瞳の男_サラの父親、ライドは優しく頭を撫でて、言った。
『ああ、サラなら出せるさ。 大きくなって、魔術の勉強をたくさんすれば、このお話しの鏡の、何倍も
大きな、鏡が』
サラは、にっこりと笑った。
『うん!!サラ、いっぱい魔術のお勉強するー!!』

「…ラ! サラ!」
サラはレーヴェの声で我に帰った。
「え、あ、何?」
「もう!ボーっとしちゃって_」
「ごめん…」
「いや、別にいいけどさ」

「ねえ、みんな。 わたし、村の人々と観光に来た人達はあの鏡に閉じ込められているんじゃないかって思うの」

サラは幼い頃父に聞いた物語を皆に聞かせた。皆しばらく黙っていたが、リアは
「その魔術師はきっと、古代魔法を使ったのね」
と言った。
「古代魔法?」                                 
「何千年前も昔_古代と呼ばれる時代には、地球には二つの人種があったと言われているの」
 シティルクル  マジルクル
「【文明人】と【魔法人】の事?」
とサラ。正解、さすが優等生ね_とリア。

「文明人は魔法を使う事ができなかったわ。でも代わりに【文明】というモノがあったの。
その文明人とは逆に、魔法人は文明を持っていなかったけれど、【魔法】が使えたわ。
ある時、文明人は文明で魔法人を征服して_」

「え、何で文明で魔法人を征服できるの?」
と、レーヴェ。
「魔法人は文明を持っていなかったわ。文明を持たない彼等にとって、文明は最大の武器だったのよ」
「ふーん? やっぱり妖精って色んな事知ってるんだなぁ」
「…レーヴェ、わたし達も同じこと学校で習ったよ?」

「_忘れた」

「それで、文明人は魔法人に、自分達に魔法を教えなければお前等の命は無いぞ、と脅した。 けれど、彼等は教えなかった。どんな拷問にも耐え、どんな言葉の暴力にも耐えたの。これに困ったのは文明人。
文明人は一部の魔方人の家族を人質にとり、再び自分達に魔法を教えなければお前の家族の命は無いぞ、
と脅した。ついに魔法人は折れ、魔法を教えたけれど、文明人にはそれを扱う事ができなかった。
扱う事ができたのは、一部の魔法_今、皆が使っている魔法だけだったの。
その文明人に扱う事ができなかった魔法を、古代魔法というのよ。 
…ちなみに、古代魔法は白魔術にも黒魔術にも属するから、【白黒魔術】とも言われているわ」

「ねえ、魔法人は今でも生きているの?」
レーヴェの問いにリアは、
「さあ…。 魔法人はその後魔術を教えた後、文明人の迫害にあって、この世に存在しているかどうか分からないけど」
と答えた。

<MILKターボの振り返り>
 さて、この古代魔法とか文明人とか魔法人とかは完全に私のオリジナル。
 そしてこの設定は物語に大きく関わってきますよ〜。