二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FINALFANTASY—オリジナル—  〜白黒の魔術師〜 ( No.33 )
日時: 2010/12/30 14:44
名前: MILKターボ ◆xyJ9iZcsj6 (ID: QP4Yy5Wh)

第五章 〜promise of the dusk 【黄昏時の約束】〜
 
       タソガレドキ
_十年前。黄昏時の、夕日に染まる村を一望できる丘。
そこに、まだ幼いサラとその父親のライドが二人並んで座っていた。
「お父さん、ここからいなくなっちゃうの?」
サラは父親の目を見ず、赤く染まる村を見つめて言った。ライドはサラを見て。
「おやおや、どうしてだい?」
サラはまだ村を見ていた。
「だって、夜、お母さんが泣きながらそう言ってるの、みたんだもん」
ライドは、肩をすくめると、
「居なくはならないさ。 ちゃんと今回も帰って来るよ」

ライドはずっと、一年間おきに旅をしていた。 それは、魔物と戦う為の、命がけの旅だった。 
サラの母親・ペンは、ライドが旅をするのを激しく嫌っていたのだ。

「ほんと?」
サラはライドの方を向いた。 
「ああ、ほんとだとも」
サラは「じゃあ」と言うと、
「約束!」
小指をライドに突き出した。ライドは笑うと、
「ああ、約束だ!」
と、サラの小指に自分の小指を絡ませて、
「ゆーびきーりげーんまん、うそついたらはりせんぼんのーます、ゆびきった!」
「絶対、生きて帰るからね」
サラは思い切り
「うん!」
とうなずいた。