二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FINALFANTASY—オリジナル—  〜白黒の魔術師〜 ( No.39 )
日時: 2011/01/01 18:35
名前: MILKターボ ◆xyJ9iZcsj6 (ID: QP4Yy5Wh)

第七章 〜I break a promise 【約束破り】〜
      
—十年前の、夢を見た。
                   ・ ・ ・ ・
「本当に申し訳ない。 ライドを死なせてしまって_」
_え? 
まだ幼かったわたしは、耳を疑った。
お父さんが、【死んだ】? _そんなはずはない。 だってあの時、約束したんだもん。 【生きて帰る】、と。
わたしは布団から抜け出して、こっそり玄関へ向かった。 そこには、お父さんの旅仲間だという、ロードさんがいた。そして、その前にお母さんが座っていた。 ロードさんとお母さんの間には、【何か】があった。
その【何か】が、わたしには分かっていた。
_お父さんの、【器】だ。お父さんの魂の抜けた、【器】が、そこにあったと、わたしは分かっていた。 
それでも、お父さんが死んだとは信じたくなくて。
「お…母さん?」                                              
わたしはお母さんの名を呼んだ。お母さんはわたしの方を向いた。お母さんの頬には、涙のあとがあって、目は、赤くなっていた。
「サラ。寝てなきゃだめでしょ」
でも、わたしはそれを無視して、【何か】を見に行った。
 
_そこには、【やっぱり】、お父さんの魂の抜けた器があった。お父さんが着ている服の、胸の辺りが紅色に染まっていた。
「うあ_」
ゆっくりと、お父さんが起き上がり、わたしの肩に左手をかけた。
「サ…ラ…。 父…さんは…ずっと…サラの…近くに居る…から、安心し…」
 
_ドサッ

言いかけて、お父さんは倒れた。
「お父さんの、約束破り…」
つぶやく。 気づくと、目頭が熱くなっていた。

_それで、目がさめた。

「夢か_。 ずいぶん昔の夢を見たなぁ…」
わたしは、ごしごしと、目をこすった。 涙を拭いているのか、眠いから目をこすっているのかどうかは、読者さんの
想像にお任せしたい。 ただ、時々お父さんがそばにいる様に感じる事だけは、お伝えしようと思う。