二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FINALFANTASY—オリジナル—  〜白黒の魔術師〜 ( No.58 )
日時: 2011/01/06 17:30
名前: MILKターボ ◆xyJ9iZcsj6 (ID: QP4Yy5Wh)

第十章 〜guy 【奴】〜

「おお…」
意味も無い言葉を口から発して、額を左手でおおう。
「何て事だ、王よ…遅かったか_」
自分は昔、当時のローカン国の王子だった彼に、助けてもらった事があった。
その恩返しをしようと思い、手紙で彼らがあなたの城を襲うだろうと、『忠告』までしたのに_。
ナゼ            
何故、だ。
何故、自分はもっと早くに彼らの存在に気づいていなかったのだ。 
     シルバーアイ
彼ら_『銀色の瞳』の、存在に。彼は本棚から本を取ると、ページを開く。
「魔法人の集団_。 何十年か前、つぶれたはずだが…奴め、彼らを復活させて、何をするつもりじゃ」
言ってから、窓に寄り空を見上げる。
 

                         
「なぁ、神様…奴は『あんな事』が無ければ、もっとマシな事をしていたかのう…」


誰も、言わなかった。 何の音も、しなかった。 誰も、何も、彼の質問に答える事は無かった。
          セイジャク
そこにあるのは、静寂のみ_。 そして彼は、園長室の扉を見つめた。

「そこに隠れておるのだろう、ロイ君」
ドアが、開く。
「さすが、園長_。 よく分かりましたね」
部屋に入ってきたのはロイ、と呼ばれた女_サラ達の担任である美人先生だった。
「わしはまだ、現役じゃい」
彼はふくれっ面をしてから、ロイに尋ねた。
「それで、ロイ。 何をやっておった」
「何って、盗み聞き」
「そうじゃなくて、今までここ一ヶ月姿を消して、お前さんは何をしておった」
彼女は園長から視線を反らす。
「_分かってるくせに。 『彼』の事を調べてたのよ」
ロイの言葉に彼は目を張る。
「おい、まさか、まだ奴の事を_」
彼女はフッと笑った。   、、、
「私は、あきらめない。 昔の様に、すぐあきらめてたら、何もかも無くしてしまうわ」
園長はため息をつくと、
「勝手にするがよい。 じゃが、奴はもう_」
彼の言葉を、ロイがひきつぐ。


                 「人じゃない」


第二幕*END