二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FINALFANTASY—オリジナル—  〜白黒の魔術師〜 ( No.71 )
日時: 2011/01/09 21:12
名前: MILKターボ ◆xyJ9iZcsj6 (ID: QP4Yy5Wh)

第二章 〜What color are your eyes? The latter part 【あなたの瞳は何色ですか? 後編】

「_園長」

「…というか、『やはりな』って、どういう意味ですか?」
というサラの質問に園長は答えずに、ツカツカと歩き、彼女の肩に手をかけた。
「どういう意味も何も_あの言葉は、そのままじゃ。 つまりは_」
そこで、言葉を切る。

「やはりお前さんが魔法人の末裔だった、という事だ」

「!?」
「わ、わたしが、魔法人の、末裔…?」
「左様。 お前さんは、ライドの娘だろう?」
「…はい」
「では、ライドが何故死んだのか———分かるか?」
ジッと、サラを見る。
「わたしの父は、魔物に殺されて_」
                 シルバーアイ
「それは、違う。 ライドは、『銀色の瞳』の連中に殺された」
「しるばーあい?」
「『銀色の瞳』というのは魔法人で構成された者たちの事だ」
「その人達が、わたしのお父さんを…?」
いかにも、と園長は首を縦にふった。
「ライドも、魔法人だった。彼は、『銀色の瞳』達に、自分の仲間になるよう誘われた。
だが、彼は断った。 何でか、分かるか?」
「いいえ」

「奴らが、何千年も前の復讐を果たそうとしている集団だからじゃ」

「復讐…!? それって、魔法人の迫害に対する復讐、ということですか?」
「ああ。 ライドは、罪の無き者の殺生は出来ぬ、と断った」
「でも、何でお父さんはそれだけで殺されたりなんて_」
「ライドは、奴らの目的の邪魔になる存在として、消されたのじゃ」
サラの手が、震える。
「そんな事の為に、お父さんが…?  信じられない」

「そして、サラ君。 君にお願いがある。 奴ら_『銀色の瞳』を、潰してくれんか?」

「わたしが、ですか」
「左様。 一晩、考えると良い」

_夜。

『ゆーびきーりげーんまん、うそついたらはりせんぼんのーます、ゆびきった!』
『お父さんの、約束破り…』
『そんな事の為に、お父さんが…? 信じられない』     



サラの頭の中に、色々な声が響く。   
  アア  ナゼ 
『_嗚呼、何故何故何故。 何故、お父さんが』

「わたしは、どうすればいいの…?」
寝室の窓を開ける。 爽やかな風が、サラの黒髪をなびかす。
—レーヴェから聞いた、トール村のサラの事。 わたしは、普通じゃない_。 魔法人の末裔。特別な存在。
「わたしは_わたしは…」   
お父さんの仇を取ればいいのだろうか。 それとも、普通の人として生きていけばいいのだろうか。
「お父さん_」
サラの目の前に、光のかたまりができる。
「—!?」

翌日。
「それで_決めたか?」
サラは、うなずいた。
          フェアリー
「そうか。 では、妖精を_と、いう訳にはいかぬ。 何でって、今年も一年間の旅に出る者がいるからな」
「はい」
「では_命運を祈るぞ」
くるり、と背を向け歩いていく。


昨日の夜。 あの、光は_。

「—!?」         ダエンケイ
光のかたまりが平たい楕円形に変わっていく。 その光には_。

ゴォォッ…                                                  トコロ
光から聞こえてくるのは、『何か』が燃えている音。 そして、光に映るのは、家が、燃えている処。
木々は焼け、人々はあちこちで倒れている。  

「ひどい…。 一体何があったの?」
光から、声が聞こえる。
『これは、未来の映像_』
「そんな…。 じゃあ、こんな状態にさせない為には、どうすればいいの?」

『“クリスタル”を集めて』

「クリスタル?」                     シリキ
『炎・水・土・風。これらの力は世界を支えている【四力】と呼ばれているモノなの。その四力を一つの力にまとめると、とてつもなく巨大な力になるの。そして、その力を彼ら_【銀色の瞳】は狙っている_』
「ちょ、ちょっと待って。 銀色の瞳って_」                           ジブンノモノ
『彼らは文明人への復讐に、四力を利用しようとしている。 あなたはそれを奪い、 己の力にすればいいのよ』
「でも、四力をわたしのモノにして、どうすればいいの?」    ヤ
『その力があれば【銀色の瞳】の頭と互角、もしくはそれ以上に戦りあえるようになるの』

「わたしが、その頭と戦う…?」    
                                             彼  ら
『ええ。あなたにしか、できる人はいないの。魔法人の末裔でありながら【銀色の瞳】に味方しない、あなたにしかできないのよ』
「その巨大な力と“クリスタル”とは、何が関係あるの?」
『ああ、そういえば説明するの忘れていたわね。 
…もし、悪党が巨大な力を狙うとして、その力が一つになっていたら、その力を手にするのは、たやすい事でしょう? でも、その力が四方に分散されていたら、手に入れるのは多少なりとも時間がかかる』
「一種のセキュリティー、という事?」
『当たり。 …つまり、その巨大な力をそれぞれ炎・ 水・土・風に分けて、クリスタルに封印してあるのよ。
その封印が解けるのは、魔法人のみ_。ね、お願い。 この世界を、生命を護ってはくれないかしら』
「でも…わたしに、そんな大仕事、出来るか_」
『ライドも、最初はそう言っていたわ』
「お父さんを、知っているの!?」
光はそれには答えずに、
『けれど、ライドも最後は私の頼みを聞いてくれて、【銀色の瞳】を潰してくれたのよ。 
でも、何十年も経った今、【銀色の瞳】は復活してしまった』
「お父さんが_?」

あの日、あの時_。自分は、死んでしまった父を怨んだ。【約束破り】と、彼を怨んだのだ。
でも、父は違った。 軽い気持ちで旅に出たのではなかった。【世界を護る】、という大事な使命があったのだ。
志半ばで死んでしまった父の意思を、わたしは__。


「_わたし、やる。命をかけて、この世界を護ってみせる。 父が、そうしたように」

—光が、消えた。
「…そういえば、なんでわたしの名前を知ってたんだろ?  何者?」

作者の振り返り
 なんか、よく見たら【あの日、あの時】って、Chessさんの小説の序章に出てきてるフレーズじゃん…。  
 Chessさん、ごめんなさい!! 反省!