二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: FINALFANTASY—オリジナル— 〜白黒の魔術師〜 ( No.72 )
- 日時: 2011/01/10 16:29
- 名前: MILKターボ ◆xyJ9iZcsj6 (ID: QP4Yy5Wh)
第三章 〜Crystal of the flame 【炎のクリスタル】〜
ペルソン城下町_。 その町はかなりにぎやかな町だった。
「これは…にぎやかな町ねぇ」
サラは、思わずつぶやいてしまった。 その、彼女の後ろから。
「本当に凄いにぎやかだねぇ」
「レ、レーヴェ!?何でここに_」
「レーヴェだけじゃないぞ」
「ロスまで…どうして」
「一人でそうやって何でもかんでも重ーい荷ばかり背負って_。お前、ほんっとに昔から変わらないな」
「ご…ごめん」
亀のように、首をすぼめる。
「俺達は、仲間だろ? その背負っている荷、遠慮無ーく分けてくれよ」
「その通り! ね、何でここに来てるの?まずは何をすればいいの?」
サラは、クリスタルの事を話した。
「ふーん。だったら、聞き込み調査だな」
まずは、すぐそばに居た女の子に聞いてみる。
「ねぇ、クリスタルを知らない?」
これはサラだ。
「くりすたる? うーん…よく分からないけど、お姉ちゃんがキラキラ光るきれいなものを持ってたよ?」
三人は顔を見合わせた。
「その“お姉ちゃん”って、どこに居るのかな?」
「あそこ!」
と、女の子が指差した所は、城。
女の子にお礼を言ってから、三人は。
「お姉ちゃんって、もしかして…姫様?」
「…かも」
「じゃあ…城に行ってみるか?」
「姫様に会う?…駄目に決まっているだろうが!」
城に入ろうとした三人が、衛兵に言われた言葉である。
「やっぱり駄目だったな」
「そりゃ…そうでしょ」
「でも、さっきの女の子はお姉ちゃんといっていたわ。きっと姫様はお忍びで町に来ているんじゃないかな」
「はー、なるほど、そういう訳なの!」
「…じゃ、探すか!」
「…んな事言ったって、すぐ見つかる訳じゃないんだよね…」
サラはため息をつく。 …ため息をついたからといって姫が見つかるという訳ではないのだが、こんなに探しても見つからないとなると、どうしても口からもれてしまうのである。
「あの…何を探しているのですか?」
後ろから、誰かが声をかける。
「え、あ、いや、その、ちょっと人を_」
サラは振り向き、答える…と、その人と姫の写真とが、着ている物が違うが、人相が同じである事に気づく。
「もしかして_姫様?」
その人_少女は、驚いた様で、
「何故、分かったの…?」
「写真と、同じだからですよ」
「あ、そうか_」
「…って嘘ォォォォォ!!」
「ど、どうしたんですか?」
「いや_ちょっと、おどろいてしまって」
「ああ…その、敬語を使わないでください。 私は、姫である前に一人の人間なのですから」
少女_姫の表情が曇る。
「あなたは、かなりの魔術の使い手だと見えます。 どうか、私の願いを聞き入れてくださらないでしょうか」
「それってどういう意…あ、わたしはサラっていう名前だけど」
「一ヶ月前の、話なのですが」
王の様子がおかしくなったのは、一ヶ月前の事である。
急に国民が納める税を高くしたり、国の予算を自分の物にして贅沢をしたりなどと、圧政を始めたのである。
…前は、この様なことは絶対になかった。国の民の事を考えた政策で、幸せな国の王、とも言われた彼。
『もしや、お父様は偽者なのではないだろうか』
姫はそう考えて、城の皆に秘密で、町に出て頼りになりそうな人を探していたのだという。
_もちろん、皆は気づいていない。母である女王は彼女の幼い頃に亡くなってしまっているし、家来は家来で気付いていない。 …やはり、自分しかいない!
と、いう事なのである。
「王に、偽者が…?」
「はい。…証拠は無いのですが、この城にはこんな言い伝えがあります」
“炎のクリスタルに白黒の魔術師触れる時、それは真の姿を映す鏡となろう”
「炎のクリスタル、というのはそれらしい物が国宝として有るので、それは何とかなるのですけれど、“白黒の魔術師”というのが分からなくて、子供達にクリスタルを触れさせていたのです_大人だと、騒ぐ人がいるでしょう?」
「…白黒の魔術師…?」
マジルクル
(そういえば、リアが魔法人は白黒の魔術師ともいわれると言ってたっけ)
サラは、
「だったらわたしの仲間も呼んでこようか?」
「ぜひともお願いします!」
………………………………………………………………………………………………………………………
「では、城にまいりましょう」
玉座に、座っているのは王。 その前には紅いクリスタルがある。
「では、行きますよ_」
サラの手が、クリスタルに触れると、サラの頭の中に、不思議と言葉が浮かぶ。 瞳が、金色になるのがレーヴェには分かった。
「フレイム・フィゴット・ルートリ・フラット_。 炎のクリスタルよ、その力を解放せよ」
クリスタルが、紅く輝く。王が、手を伸ばす_。クリスタルから紅い光がサラの体に吸収される。
王の表情が一転。その顔には、憤怒の色。
「おのれ…小娘ェェ…。 俺が手に入れるはずの力をォォォォ!!」
ミシミシミシミシ………………。
王の皮がはがれ、正体を現す。
それは、魔物。
「ファイア」
炎が、サラに向かう。 が、それを
「ファイラ!」
と、魔物の撃った炎よりも大きい炎が迎え撃つ。 …レーヴェだ。
「…ったあ!」
レーヴェの掛け声と共に、魔物の炎とレーヴェの炎が混ざって、魔物に飛んでいく。
「うがあああああ!」
大ダメージ。 だが、魔物の短剣が、レーヴェの腕をかすめる。
「痛っ!」
ケアル、とサラが唱えると、その傷がふさがる。
「ありがとね、サラ」
「さて、次は俺の番!うおりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ロスはを構え、魔物に突っ込んでいく。
_斬!
刃が、魔物の腕を切り落とす。
「うああ…」
「最後はわたしの番!炎のクリスタルの力、思いっきり使うぞぉ!!」
サラの金色の瞳がキラキラと輝く。
目を閉じ、呪文を唱える。
「聖なる炎よ、悪しき者を包み込め!」
炎が、魔物を包む。 魔物の苦しむ声が、炎の中から聞こえる。
…やがて、炎が消えた。 その中には、魔物の残骸があった。