二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: †鳥籠の中† 【学園アリス】 ( No.3 )
日時: 2010/12/17 20:09
名前: 由紀 ◆y/0mih5ccU (ID: Prfa052C)

   Φ第1話Φ

初等部B組の前で蝶と鳴海は立ち止っていた。

「ここが初等部B組だよ。ささ、入ろうか」
「はーい!!」


蝶がB組に入ると一気に視線が蝶に集まった。
驚愕する者が、多かった。

「・・・蜜柑ちゃん!?」
「いやでも・・・何か違う・・・」
「でもそっくり・・・」


ボソボソとB組の生徒が呟く。
蝶は鳴海が言っていた言葉を思い出した。

『前までね、蝶ちゃんとそっくりな子がいたんだ』


それだけ似ているのだろう。
蝶はニッコリと微笑んだ。その笑顔が、さらに周りの期待を上げるとも知らずに。

「杉音 蝶です!!よろしくお願いします!」
「蝶ちゃんのアリスは、瞬間移動と記憶操作のアリス。瞬間移動がとても素早くていいのと、記憶操作が忠実なので星階級はダブル。クラスは特力系だよ」


スラスラと鳴海は蝶の説明をしていく。
蝶が辺りを見回していると、自分を唖然とした顔で見つめている少女がいた。

「・・・・・蜜柑??」


そう呟く紫色の瞳の美少女はどこか寂しげで。

「それじゃあ、蝶ちゃんの席は・・・棗君の隣が空いてるね・・・。じゃあ、蝶ちゃんの席はあそこね」
「はい!!」


黒い髪をした少年が顔の上に本をのせて眠っている。
その隣には自分を驚愕の顔で見つめる金髪の少年。

蝶は指定された席に座ると、黒髪の少年をツンツンした。

「もっしもーし。杉音 蝶ですよ〜」
「・・・あ゛ぁ??」


不機嫌な顔を見せたのは、赤い瞳の少年だった。
蝶を見ると、すぐさま顔色を変えた。

「みか・・・っ・・・蜜柑・・・っ!?」
「杉音 蝶で〜す」


ぶっきらぼうに蝶が言うが、少年は見開いた目に驚きを隠せない。
鳴海も辛そうな顔をしている。

「・・・ブ、ス・・・」


そっぽを向いた少年—棗は途切れに呟く。
蝶はその言葉を聞いてカチンときた。

「な、なんでいきなりブスって・・・」


蝶はいうのをやめた。
棗の肩が、小刻みに震えていたからだ。

「・・・サボるッッ!!!」
「あ、棗!!」


叫んで教室を出て行った棗とそれを追って出た少年を見る。

「なんっなのよーっっ!!!」


なんだか罪悪感を感じて、蝶もそれを追って教室を出た。