二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D.Gray−man 羅針盤の戦士 ( No.19 )
日時: 2010/12/19 11:25
名前: ぐるり (ID: uRjlitq/)


神田を追いかけると、辺りはだんだん荒れ果ててきた。
石畳つくりの道や壁は無残にも崩れており、アクマの残骸が辺りをおおう。

「神田!!」

アレン達が、やっと神田の背中をみつけた。
…そして神田の視線の先には、1人の少女がひざをついて息をきらしていた。

アレンは「大丈夫?」と呟いて少女に駆け寄った
が…少女はアレンにむかって


「…ひどいよ…アンタ達…」


目を怪しく光らせて、アレン達をにらみつけた。


—拒絶だった。

 少女は探索班の服を着て、その両手には同じ服を握り締めていた。
 「ずっと…待ってたのに…」
少女はうつむいて握り締めていた服に雫が落ちていった。



(エルリエ…か)
アスターは少女を見つめ、そのすぐ目の前でしゃがんだ。

エルリエの涙は止まらず、ただただ小さな声で叫んでいた。

「待ってたのに………死んじゃった…じゃんか…また……消えた…」

神田は非情の眼差しでそれを見るなり、舌打ちをした

「探索班は死ぬ覚悟でエクソシストの下にいればいいんだよ」

迷いのない声で鋭い眼差しで神田はエルリエに言い放った。
アレンはすぐに「神田!!!!」と怒りをあらわにした。

ラビも神田を睨み付けたが、それだけでは決して神田は動じなかった。


「………世界を守るんでしょう………犠牲をだして何が平和なの…!?」
エルリエは怒りを神田にぶつけた。
そしてエルリエの左目が変化しているのにアスター気づいた。



「…殺してやる…」
「!?」

エルリエの目が黄色に変化した


・・・・・途端・・・・—



バアアアアアアンン!!!!

「ぐ・・・ッ」
神田が力強く壁に叩きつけられた!
アレンとラビは、すぐに神田の元へと走った。
アスターはエルリエの目の変化を止めようと、エルリエの左目を自身の手でおおった。…が

 「ッ…!!」
アスターの手から鮮血が流れ出した。
 痛みにたえてアスターはエルリエに

「…止めなさい」

と呟く。


「…殺ス……ミン…ナ」

声はもう彼女のものではなかった。

「……やめろ…堕ちるんじゃない…」
アスターはひどく焦りを感じた。
このままではイノセンスが彼女を飲み込んでしまうと—