二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: -ONE PIECE- 月追う兎* \返信100突破!/ ( No.111 )
日時: 2011/02/03 22:18
名前: なまくら将汰 ◆yKq/Ct0zKs (ID: /gSTfiqf)

[>Episode35

「はは・・・母ちゃんね」
「ええ!私、彼女に会いたいわ!!」

デイルは少しうつむいて、それから顔を上げ、無理やり大きく笑った。

「母ちゃんがどこにいるかはわからないんだ。かなり遠いところにいるよ。でもきっと、笑ってる」

デイルの最後の言葉に、ゾロは少し複雑な表情をした。

「そう・・・・・・」

少し残念そうなマナ。
だがハッとしたように言った。

「デイル、あなたの手当てがまだだったわね!!」
「そうだな。頼むよ」

それからマナは慣れた手つきでデイルの傷口を消毒し、ガーゼで覆い、丁寧に包帯で巻いた。

「うまいわね」
「ラナが無茶をして帰ってくることが多かったから・・・慣れたの」

ナミの問いにふふっと笑って答えるマナ。
救急箱を元の場所に戻し、紅茶と菓子を持って戻ってきた。

「うほお!!いっただきまーす!!」

真っ先にがっついたのはやはりルフィ。だが、甘いものだからかデイルも負けじとがっつく。
ナミが紅茶の入ったカップに口をつけたときだった。

「私、グランドラインにどうしても行きたいの」
「ほお!!おれたちと同じだな!!」

頬に菓子のくずをつけて、ニカッと笑うルフィ。
でもマナの顔は緩まなかった。

「でも私には船もない。航海術もない。仲間も・・・いないわ」

マナは手をぎゅっと強く握り締め、言った。

「ねえ、あなた達は船を持っていて、グランドラインへ行くんでしょ?」
「まあ、そんなところね」
「だったらお願い!!私も一緒に連れて行って!!!」

突然の申し出に驚いたルフィたちだったが、顔を見合わせ、皆ニカッと笑った。

「もちろんいいぜ!!デイルとゾロを手当てしてもらった恩もあるしな!」
「・・・ありがとう」

マナは初めて、心から笑ったようだった。