二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: -ONE PIECE- 月追う兎 \返信100突破!/ ( No.133 )
日時: 2011/02/11 19:31
名前: なまくら将汰 ◆yKq/Ct0zKs (ID: /gSTfiqf)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

[>Episode39

デイルはパンパンと服についた砂を落とす。

「あ〜あ、汚れちまった」
「今の技すげえぞ!デイル!!」
「そっか!よかったあ・・・」

2人がワイワイしていると・・・

「何してんのよ2人とも!!早くこっちきて!!」

ナミの大声が聞こえる。
デイルが起こした風のせいで、メリー号はかなり沖まで動いていた。

「そっか、じゃあデイル、つかまれ!!」
「え、いいよおれは飛んでくから・・・」
「いいから!」

デイルは自分の身の危険を察知し、ルフィの申し出を断ろうとするが、強引にルフィの脇に抱えられてしまった。

「ちょ、待て!!」
「行くぞ!!」

ルフィはギューンと腕を伸ばし、メリー号のふちをつかむ。

「待てってえええええええええええっ!!!!!!」
「ひゃっほー!」

ビュンッとすごい勢いでメリー号まで一直線。
そして甲板に激突!

「うぎゃっ!!」
「あはは、着地失敗だ」
「何が『失敗だ』だ!!おれはゴムじゃねえんだから痛てぇんだぞ!」
「わりぃわりぃ!」

ニシシッと笑うルフィにもはや怒る気力もわかないデイル。

「ねえ、デイル・・・」
「んあ?」

ナミに呼ばれ振り向けば、先ほどぶつけた場所にナミのげんこつを食らう。

「いってえ!!!」
「何得体の知れない人を船に連れ込むのよ!!」
「え・・・ああ!あの女か!」

キョロキョロとデイルが辺りを見回せば、サンジが少女に絶賛ナンパ中・・・。

「ああ・・・かわいらしいレディ・・・お名前は?」
「・・・・・・・・・」

むすっとした表情の少女。口を全く開かない。
慌てて間に入るデイル。

「お前、名前は?」

もう一度、同じ質問をする。

「・・・・・・グレイズ・スバル」
「スバル・・・?」
「ええ」

相変わらず表情が変わらない。

「とりあえず手当てだな。ウソップ、包帯!」
「ああ」

ウソップが慌てて持ってきた包帯を、デイルはスバルの腕に丁寧に・・・巻いたつもりだが、不器用な彼は包帯を丁寧に巻くことなどできない。

「あっれー?」
「もうっ、しょうがないわね」

そう言って横から包帯を奪ったのはマナ。
先ほどデイルに巻いたように、綺麗にスバルの腕を包帯で包んでいく。

「はい。出来たわよ」
「・・・・・・・・・」

黙って包帯が巻かれ、白くなった腕を見つめるスバル。

「お前、さっき『見つける』とか言ってたけど?」
「・・・そう。あなたは見つけられるかしら?」

少し目を伏せ、それから麦わら海賊団のクルー達をその藍色の目でしっかりと見据え、言う。

「私の“生きる価値”」