二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: -ONE PIECE- 月追う兎 \返信100突破!/ ( No.137 )
日時: 2011/02/11 19:53
名前: なまくら将汰 ◆yKq/Ct0zKs (ID: /gSTfiqf)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

[>Episode40

「生きる、価値?」
「そう。生きる価値」

そして小さくなってゆくキハト村を見つめ、スバルが言う。

「ここにもなかった。このままじゃ、私の存在価値が見つからない・・・!見つからなかったら生きている意味もない!!!」

突然ヒステリックになったスバルに全員が1歩後ずさる。・・・否、ルフィだけを除いて。

「生きる価値?存在価値?」

ルフィは一歩一歩スバルに近づく。

「そんなもん誰かに見つけてもらうもんじゃねえだろ!!」
「っ・・・!!!」

マナ以外のクルー達は、分かっていた。こうなったルフィの言葉には、力があることを。

「なんだよ。自分で見つけられねえからってデイルに見つけてもらうのか?」

うつむいていたスバルはバッと顔を上げ叫んだ。

「そうよ!!!自分で見つけられないの!しょうがないじゃない!もう・・・自分の力じゃ・・・!!」
「甘えんじゃねえ!!!」

ガツッ・・・という鈍い音と共にスバルが床に倒れた。

「ちょ、ルフィ!」
「やめときな、マナちゃん」

その姿を見て一番最初にガマンできなくなったのはやはりマナ。だがそれをサンジがとめる。

「なんでよ!殴ること・・・!!」
「いいや。ルフィの言うことは、まちがっちゃいねえよ」

そう言ったのはゾロ。

「でも・・・・・・」
「大丈夫。本気で殴ったりしねえよ」

少し苦笑いをしたデイルを見て、何かを感じ取ったマナはそれ以上は何も言わなかった。

「生きる価値なんて自分で決めるんだよ!」
「できないのよ!!あなたに何が分かるの?」

ルフィに飛び掛るスバル。

「私の背負った運命、あなたにそのつらさが分かるの!!?こんなにつらいのに、生きている理由がなくちゃ・・・」

ルフィの顔の真横にガンッとこぶしを落とす。それと同時に涙がポタリ、ポタリと藍色の瞳から落ちる。

「生きてる意味も分からない!!このままじゃ私死んじゃう!!!」
「なら、今から海に飛び込めばいいじゃねえか」

冷たく言い放つルフィ。

「え・・・」

その言葉にスバルの顔に恐怖の色が見えた。

「生きる理由?そんなもん、生きてるから生きるに決まってんだろ。そんなことにも気づけねえなら、いいじゃねえか」
「あ・・・・・・」

次にスバルの瞳から流れ出したのは先ほどの涙より、暖かなものだった。

「それによ」

ひょいとスバルをどけ、起き上がるルフィ。

「生きたいって思えてるなら、いいじゃねえか。お前が生きたいから生きる。それじゃあだめか?」

止まらない涙と嗚咽に口を押さえて首を横に振るスバル。
その姿にニカッと満足そうに笑うルフィ。

「生きてえから生きるんだ。それがお前の生きる理由だ!!!」
「・・・うん!・・・うん!!」

そこへデイルもやってくる。

「おれにゃあ“価値”なんてもん分からないよ、ばかだし。でも“生きる価値”なんて自分で見出すものじゃねえ?」

ごしごしと涙をぬぐって、スバルは始めて笑顔を見せた。

「うん!そうだね!!!」