二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: -ONE PIECE- 月追う兎* \オリキャラ募集中!/ ( No.16 )
- 日時: 2010/12/23 22:00
- 名前: なまくら将汰 ◆yKq/Ct0zKs (ID: /gSTfiqf)
[>Episode8 -教えてデイル君-
紅茶を飲み干し、全員の顔をぐるりと見渡してから話し始めたデイル。
「まあ、まずは無難に名前から・・・」
コホン、と小さな咳払い。
「おれはフォールビット・デイル。歳はルフィと同じだ」
「フォールビット・・・??」
どこかで聞いたことがある、と言いたげなゾロ。
「はは、そりゃあ聞いたことあるだろうなあ」
ポケットをガサゴソと漁りながら、今度はサンジに話しかけるデイル。
「サンジ、おまえさあ、おれの母ちゃんに会いたいとか言ってたなあ・・・?」
「そりゃあ、もう!」
鼻息が荒くなるサンジ。
「ほれ。これがおれの母ちゃん」
出てきたのは古びた手配書だった。
「うおおおお!こりゃあ美しい・・・・・・」
「「フォールビット・ラフィア・・・!!!」」
サンジに負けないリアクションを見せたのはゾロとナミ。
「ふふ、やっぱ知ってるよね」
「知ってるってあんた・・・この人、女海賊の中で最も強く、最も美しかったっていう・・・!」
「“海の魔女”・・・!!!」
「そうそう・・・。まあ最も強いってのはほんとか分からないけど」
少しだけ、ほんの少しだけ悲しそうな顔をしたデイルをゾロは見逃さなかった。
「確かこの女は・・・」
「まあまあゾロくん、そういう野暮な話はなしにしようぜ」
ゾロに向かってウィンクをするデイル。
そのウィンクにこめられたデイルの感情を察したのか、ゾロは何も言わなかった。
「そうだ!!デイル!」
口を開いたのはウソップ。
「おめえとルフィの出会いを教えてくれよ!!」
「ん、おぉ。そうだな」
デイルはとびっきり嬉しそうな顔をして、話し始めた。
「実はこのモミジ村、おれがチビのころに海賊に襲われたんだ」
「へえ・・・」
ルフィ以外の全員が興味深そうに耳を傾ける。
「でさ、おれ、奴隷として売り飛ばすために海賊の船に乗せられちまってさあ・・・」
あまりいい思いでなはずがないのに、デイルは気にしてないのか、ペラペラしゃべり続ける。
「もうだめかとか思ったんだけど、嵐の日、別の海賊がおれの乗った海賊船を襲いにきたんだ!」
「おぉ!」
「それで、別の海賊のほうがめちゃくちゃ強くてさ!おれもう生きるのに必死で船ン中にあったボートに乗り込んだんだ」
「それでそれで?」
「嵐の中必死でボート漕いだけど、やっぱりガキの力じゃ逆らえなくて・・・ボートは転覆」
「・・・・・・・・・」
誰かがゴクリとつばを飲み込む音が聞こえた。
「で、急に今までと違う影が目の前にある気がしてさ、目を開けてみたらそこにいたのがルフィなんだ!!」
「あんときはびっくりしたなあ!なんせ遊び場だった砂浜におれと同じくらいのやつが倒れてんだからよ!」
「うん。それがルフィとの出会い」
ふうっと息を吐き、嬉しそうに話し出すウソップ。
「デイル、おめえもすげえ冒険してんだな!!」
「まあな。最初は海賊なんか嫌いだと思ったけど、あの嵐の日に乗り込んできた海賊たちはえらくかっこよくてよ。だからそれからおれは海賊にあこがれてんだよな」
遠い目をしたデイルは、少しルフィに似た雰囲気をまとっていた。