二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: -ONE PIECE- 月追う兎 \返信100突破!/ ( No.192 )
日時: 2011/02/26 21:01
名前: なまくら将汰 ◆yKq/Ct0zKs (ID: /gSTfiqf)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

[>Episode46

「ちょっと、先いってて!」
「先いっててってお前・・・」
「いいから!!」

地に足をつけ、走り出したデイル。
ピタッと立ち止まったのはマナの前だった。

「デイル・・・」

マナは涙があふれそうなのをこらえていた。
目が赤くなっている。

「お前にこれ、あげようとおもってな」

ニヒッと笑ったデイルが差し出した手。
その手には紫色の鮮やかな蝶のブローチが乗っていた。

「これ・・・・・・」

マナはこのブローチに見覚えがあった。
大切にしていたラフィアの手配書。
そこに写るラフィアの右胸あたりにこのブローチはついていた。

「母ちゃんのなんだ」
「いいの?」
「いいんだ。おれ、マナにもらって欲しいんだ」

特徴的なふわりとした笑顔。
その笑顔を見て、マナはとうとう耐えられなくなり、涙を流した。

「ありがとうっ・・・」
「いいって。じゃあ・・・」

マナの服にそっとブローチをつけたデイルは、貝笛を吹きジャンプ・ラッシュを出した。

「じゃあな。楽しかった。絶対また会おうな!」
「うんっ!!!」

そしてデイルはぐんっと飛び、メリー号の甲板に降り立った。





「デイルって案外いい男ね」
「てへへ」

ナミに褒められ顔がニヤけるデイル。

「そんな顔じゃあしまらないわ」
「全く、スバルは厳しいなあ」

ちぇ、と口を尖らせるデイルだったが、何か思いついたように言った。

「お前さ、もうちょっとやんわりしてたらいいんじゃねー?せっかくかわいいんだからさ」
「なっ・・・!?なにいってるのっ?」
「照れんな」
「照れてないっ!!!」

そんな時キッチンから声が聞こえた。

「おーい。昼飯できたぞ」
「やったっ!デイルいくぞっ!!!」
「おう!」

我先にとルフィがキッチンに向かって走り出した。
それにデイルとウソップが続く。

そしてクルー全員が昼食を食べ始めた。



空は青く、海も青い。
その青に染まらない太陽だけが、
まぶしく輝いていた。